今ってこんなにお洒落なの…? 平成生まれも衝撃、裁縫セットなど「学校教材」が進化していた
令和に入り「平成レトロ」という言葉が出てくるなど、早くも20~30代の平成生まれがジェネレーションギャップを感じている。そんななか、近年の学校教材が衝撃的な進化を遂げており「ブランドバッグかと思った」とSNSで話題に。最近の教材事情について、企画から製造まで手がける教材メーカー「はくぶん」(本社:大阪府門真市)に話を訊いた。
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■毎年生まれ変わるデザインは「中学生くらいを意識」──私(30歳)の時代は、たとえば裁縫箱で言うとプラスチックでキャラクターものが主流だったんですが、最近のデザインはおしゃれでファッションアイテムのようですね。
裁縫セットの場合だと、ひと昔前はファンシーショップで売られている筆箱のようなデザインで、フリルやイラストなどたくさんモチーフがあって、大人が持つのはしんどいかな?っていうテイストが主流でした。昔は大人っぽすぎても売れなかったんですよね。習字道具だったら赤・黒の2択とか。
ファッションのテイストというよりは、子どもが喜びそうなモチーフが主流で、男の子だとメカニックな雰囲気を出したり。男女ともにほぼ毎年新作を出しているのですが、大人のファッションのように、女の子の方が流行り廃りがはっきりしていますね。
──デザインを考えるにあたり、昔と比べて変わったことはありますか?
3年生で書道、4年生で彫刻刀、5年生で裁縫道具を使い始めるんですが、ピンポイントでその年代だけをターゲットにせず、少しうえ・・・もう中学生くらいを意識するようになりましたね。
また、弊社は有名なキャラクターなどの版権物は扱っておらず、100%オリジナルデザインで販売しています。そのため、実際に学校に行って子どもたちの持ち物を見たり、インタビューをしたり、自分の子どもの授業参観のときにはロッカーを見たり。普段から調査をしています。
■「これさえあれば大丈夫」中身もコンパクトに進化──大きさもコンパクトになっているような・・・中身も変わってきているのでしょうか?
学習内容の変化とともに変わってきてますね。「これさえあれば大丈夫」という内容に随時整理をしているので、だんだん小さくなっています。刺繍はしないから刺繍糸をなくすとか。あと、裁縫道具だと昔は別売で専用のバッグも販売していましたが、そのままで持ち運びできるようになったのも大きい変化ですね。
■全ては「学校を楽しんでほしい」との想いから──子どもや保護者からの反応はいかがですか?
弊社はキャッチコピーに「きっと持って行きたくなる」を掲げているので、「枕元に置いて寝た!」など聞くとうれしいですね。「習字いやだな」「彫刻刀難しそう、恐いな」っていうのを、これ使いたい!っていうモチベーションにしてもらえるとうれしい。そのためにデザインや機能性を一生懸命研究しています。
教材業界はスポットを浴びることが少ないのですが、近年はSNSで一般の方が発信されていて、その都度みなさんが「懐かしい!」と盛り上がっているのを見て、ワクワクしています。ネット上では「学用品にそんなに気合い入れても・・・」との声もあったのですが、子どもたちが「学校の授業はイヤだけどこれを使いたいから頑張る」と学習意欲に繋げていただけるとうれしいですね。
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裁縫に習字、彫刻刀、絵の具・・・誰もが使ってきた学校教材。安全性や使い勝手はもちろんだが、「学校を楽しんでほしい」との想いで常に進化し続けているようだ。大人になった今でも愛用している人は多いのでは?
取材・文・写真/Lmaga.jp編集部
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