お笑いコンビ・コットン「東京芸人ではなく『コント師』として」…初のNGK単独に意気込み

ドラマ性のある絶妙なネタを作る西村真二、そして抜群の演技力を誇るきょんからなる、お笑いコンビ・コットン。『キングオブコント2022』で準優勝を果たし、テレビ番組などの露出が一気に増加。出演番組で「『キングオブコント』の実質優勝はコットン」発言などで笑わせているが、その言葉の真意とは? 近況も含め2人に話を訊いた。

■ 「実質…」、圧倒的に負けたから言える(西村)──5月に「なんばグランド花月(以下:NGK)」で単独公演の開催が発表されました。お2人の「陽キャ」旋風が徐々に大阪にも吹き荒れそうな感じですね。

西村:そうですね、いよいよ動くときが来たっていう。業界でも珍しい「W陽キャ」なんで。とんねるずさん以来じゃないですか?(笑)

きょん:明るくても裏で暗い人もいますしね。僕らは楽屋でもめっちゃ騒いでますから。

──初のNGKということで、意気込みを伺いたいです。

西村:NGKは夢の舞台であり、登竜門。2019年に『NHK新人お笑い大賞』で優勝して、『ABCお笑いグランプリ』でも4度決勝、『キングオブコント』準優勝で力をつけてきた自負はあります。このタイミング以外なら、ちょっと背伸びしていたかなって。今回は挑戦っていう意味合いもありますよ。

きょん:だからさ、2016年にニューヨークさんが初めてNGKで単独やったときは『おいおい、ちょっと早いぜ』って感じたよね?

西村:お前ってそんな誰かを傷つける芸人だったっけ?(笑)こんなに毒があるきょん、11年で初めてですよ。大阪でのインタビューで舞い上がっちゃってます。もちろんそれは冗談ですけど、東京のコント師らしさというか、作品として90分で笑かす、気付いたら1本取られてる…寝技の大会みたいなね。コットンとしての「型」を見せたいです。

──テレビ番組などの露出も増えてきましたよね。以前テレビ出演されていた際、きょんさんは「もし冠番組を持つことができるなら番組名は『コットンのたいよう(太陽)』にしたい」とプランを打ち明けていました。

西村:いやぁ、さすが俺の相方だな。『コットンのたいよう』か…。だって太陽ってさ、無重力、無酸素のなかで燃え続けている唯一の球体。つまりオリジナリティってことでしょ。太陽の熱がなければ地球上の草木も生えないし、人間も活動できない。太陽って自分のパワーでまわりに力を与えている。コットンもそういう存在であろうというメッセージなんだよね。俺はお前が相方であることが誇らしいよ。

きょん:ちょっと待って、そんなこと全然考えてないから(笑)。咄嗟に出ただけだよ。(西村に腕をつかまれてガッツポーズを強要され)おいおい、取材中に手をあげさせるな!

■ やる側としては全然別物。めちゃくちゃ緊張(きょん)──コンビとしては2022年『キングオブコント』準優勝、きょんさんはピンで2023年『R-1グランプリ』準優勝と、今のお笑い界の賞レースはコットンに追い風が吹いていると思います。今後の賞レースの主役候補ではないでしょうか。

西村:『ワンピース』のルフィも同じ敵に必ず2度負けて、3度目で勝ちますからね。僕らも『キングオブコント』『R-1』であと一歩で負けて、じゃあこの次は…という気持ちがあります。5月の単独もすべてコントの予定で、今年の『キングオブコント』にちゃんと結びつけていくつもりです。

──『キングオブコント』放送後には、準優勝ながら王者のビスケットブラザーズさんよりツイッターのトレンド上位を占め、お2人もバラエティ番組に出演した際は「実質『キングオブコント』の優勝は自分たち」という発言もされていますよね。

西村:あれは番組を盛り上げるリップサービスですよ! ビスブラさんに圧倒的に負けていたからボケで言えるんです。もし僅差だったらそうは言えないですよ。ビスブラさんの1本目のネタ『野犬』なんて、拍手笑いのBGMが流れているんじゃないかってくらいすごくって。あのウケには全然敵わなかった。

きょん:3月に大阪で『再試合』というツーマンライブをやって、そのときお互いのネタをシャッフルして披露したんです。僕らは『野犬』をやったんですが、台本を読んで死ぬほど笑いましたから。

西村:ただ、ネタの質が違うのかなって。台本そのものでは負けていないと思っています。

──『R-1』では、きょんさんがファーストステージで披露したネタが、コンビネタの改編だったことも賛否を集めましたね。コンビネタをピンで見せるのも、テクニック含めて非常に難しいとは思いますが。

きょん:目の前に相方がいるか、いないかで掛け合いがかなり変わりますからね。ありがたいことに『キングオブコント』をきっかけに仕事が増えた分、『R-1』のネタを体に落とし込む調整作業が本当に大変でした。あのネタは「音」きっかけが多いから、ひとつミスると全部が壊れちゃう。コンビでやっていたネタだけど、やる側としては全然別物。だから本番前はめちゃくちゃ緊張しました。

西村:まじで輝いてたよ。本当に最高だった…写真撮っときゃ良かったわ。

きょん:あんまいねぇよ、こんなに相方アゲるやつ(笑)。

■ 大阪でも「コント師」として見てもらえるように(きょん)──2023年の賞レースはコットンを軸にまわるんじゃないかって思うんですけど、でも『キングオブコント』はそれまで3度、準決勝の壁に阻まれていたんですよね。

西村:そうなんです。悔しい思いをずっとしていましたから。だから昨年、マネージャーから決勝進出を聞いたときは本当にうれしくて。ただ、相方がうれしさのあまり泣きながら「届いた…」って2回言ってて。そこで冷めました。ふたりで挑戦して頑張ったけど、ワンマンチームみたいなコメントで(笑)。

きょん:感極まったんだよ! でもそのときの映像が『キングオブコント』の煽りのVTRで使われなくて本当に良かったです。あれが流れていたら準優勝は無理だったわ。

──こうやって話していると、お2人は大阪にはばっちりハマりそうなノリをされてらっしゃる気がします。

西村:どうなんすかねぇ。最初はNGKの本公演とかに出させてもらうとき、標準語が大阪に受け入れられるのかが分からなくて、不安はありましたけど。

きょん:本当にこれは『キングオブコント』以降にガラッと変わって、大阪でも知ってもらう機会が増えたというか。「東京の芸人」から「コント師」として見てもらえるようになったんで、そこはすごくやりやすくなりましたね。

西村:僭越ながら言うと受け入れられつつあるのかなとは思うんで、単独をするのにもちょうどいいのかなと思います。

──単独に先駆け、4月には所属する渋谷の「ヨシモト∞ホール」の芸人たちによる企画舞台もおこなわれますね。

きょん:大阪のお客さんを全部奪い取ってやりますよ。一瞬、一瞬の笑いを見逃すな。以上です。

西村:アッちぃ!でも賞レースの常連が揃っていますし、東京の芸人の地肩とか、大阪とは異なるスピード感を見てもらえるんじゃないかなって。東京は1個スカしてます(笑)。

きょん:今まで東京勢だけでNGKっていうのはなかったと思うので、すごく不思議な気分ですけど。

西村:コロナ禍、舞台が全部キャンセルになったときも俺たち芸人のために給料を手厚く出してくれて、マジで劇場に食わせてもらっていましたから。これからも基本は劇場に片足を置いて、一生かけて恩返ししたい。そのためにまず『キングオブコント』のカタをつけて、そのあと『M-1』。賞レースで勝てば、もっと劇場にお客さんを呼ぶことができるはずですし。

──じゃあもう今年に関しては、もう休みなく働いてやるぞ、ぐらいな感じですか。

西村:そうですね。だから平日はテレビとかを頑張って、土日祝で劇場で単独とかイベント打ったりとか…本公演にも呼んでもらえるような芸人人生を送りたいなと。死んだら一生寝られますから。僕、その辺の考えが古いんです。でもきょんはちょっと休みたいか?

きょん:俺は休みほしいよ(笑)。でもまぁ(西村の考えと)ほぼ…いや、まったく一緒ですね。あとは、やっぱり優勝して『キングオブコント』を卒業したいです。

企画公演『ワラムゲ!inなんばグランド花月 ~渋谷無限大ホールからイカしたあいつらがやってきた~』は4月12日、5月21日には単独公演『ethnic』(ともに開演・夜7時半、チケット当日3500円ほか)を開催。会場はともに「なんばグランド花月」にて(FANYチケットにて発売中)。

取材・文/田辺ユウキ

(Lmaga.jp)

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