最強酔いどれ侍・本多忠真、波岡一喜の散りざまにSNS感嘆【どうする家康】
江戸幕府初代将軍・徳川家康の、厳しい選択だらけの人生を、松本潤の主演で描きだす大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。5月14日の第18回『真・三方ヶ原合戦』では、多くの家臣たちが家康を守って討ち死にするなか、ひときわユニークな存在だった武将の散りざまにも、涙する視聴者が続出した。(以下、ネタバレあり)。
■どうする家康、しんがり務めた叔父上数も力も勝る武田軍と三方ヶ原で戦となった徳川軍。まともに戦って勝ち目のないことを自覚していた家康たちは、すぐに退却戦に転じる。
その混乱のなかで、ともに戦おうとする甥・忠勝(山田裕貴)に「殿を守れ。おめえの大好きな殿を」と言って戦場から逃した本多忠真(波岡一喜)。自分は殿(しんがり)として、ひとりで武田軍に立ち向かって戦死した。
悲しさと悔しさで悲嘆に暮れる家康だったが、酒井忠次(大森南朋)たちから、生き残った家臣たちがそれぞれのやり方で奮闘しているという報告を聞き、自分のために亡くなった人々のためにも、再興の決意を固める・・・。
■本当に知る人ぞ知る存在の本多忠真「家康三大危機」と言われる三方ヶ原合戦での徳川軍の死者数は諸説あるが、最大で2千人と言われている(ちなみに武田軍は100~500人)。古くから徳川(松平)家を支えた重臣も含まれており、この18回では、そのなかでも特に有名な家康の身代わりになった夏目広次(吉信)、そして本多忠真の最期にスポットが当てられた。
本多忠真は槍の名手で、甥の忠勝を「戦国最強の武将」に育て上げた、本当に知る人ぞ知る存在だ。そのため大河ドラマで人物像がしっかり描かれるのは、おそらく『どうする家康』が初。2021年の大河ドラマ『青天を衝け』で、家康の子孫・徳川慶喜に仕える剣士・川村恵十郎を好演した波岡一喜が、見事に人間味あふれる役に肉付けしてみせた。
普段は酒びたりだが、いざとなったら忠勝をしのぐ活躍を見せる猛将。その姿を貫き、甥にあとをたくして散っていく最期に、SNSでは「普段酒浸りでえーかげんなオッサンが、死ぬ前に言ったらカッコいい台詞全部言ってカッコよく散っていった」「アホたわけに愛情があふれていて、忠勝を育てた『本多の男』」「甥愛、殿愛、酔いどれ侍ここにありでした」などの、追悼の言葉があふれた。
■波岡の退場シーンとしても感慨深げそして今回で退場となる波岡に対しても「波岡一喜アニキの強さカッコ良さといったらもうたまらんですね。少年漫画から出てきた人ですか!?」「一昨年の大河では大切な人(平岡円四郎)を守れずに長らく悔やむことになる役を演じられたが、今年は大事な甥を守って戦死する役を演じられたわけで、2年越しのリベンジが成ったのかもしれない」などの言葉が投げかけられた。
ちなみに波岡といえば、ライダーファンの間では伝説となっている『仮面ライダー鎧武』のシドなど、インパクトのある死に方をする敵役が印象的なせいか「数ある波岡一喜の死亡シーンの中でも屈指のカッコよさ」「波岡一喜の役でめちゃくちゃまともな死に方したな」「波岡一喜がこんないいキャラになるとはなあ」という、感慨深げなコメントも見られた。
忠真の死は、家康にも忠勝にも大きな喪失と成長のきっかけになるだろう。また忠勝を演じる山田裕貴も、SNSで波岡とのツーショットをアップして感謝の意を表すなど、彼自身も波岡との共演に好影響を与えられたことがうかがえる。「叔父上」の頼れる背中に学んだ忠勝/山田が、今後どのような最強伝説を作るのかに期待しよう。
『どうする家康』は、NHK総合で日曜・夜8時から、BSプレミアムは夕方6時からスタート(BS4Kは昼12時15分から)。5月21日の第19回『お手つきしてどうする!』では、戦国時代の状況が大きく動くなか、家康が侍女に手を付けてしまったことで、一騒動起こるさまが描かれる。
文/吉永美和子
(Lmaga.jp)