デビュー40年を超えてなお、今も色褪せないスタレビの魔力的ポップス

スターダスト☆レビューといえば、アラフィフ世代なら反射的にカルピスのCMソング(夏の氷カルピス篇)として大ヒットした『夢伝説』が思い浮かぶのではないだろうか。

◆改めて驚かされる洗練されたサウンド

40年前の1984年、ブラウン管から不意に流れてきた「遠い昔のことさ 夢で見たんだ~♪」というサビ。そのファンタスティックなサウンドと天を舞う甘いハイトーンボイスに瞬時に心を奪われ、そこからデビュー曲『シュガーはお年頃』(チェッカーズより早かった和製オールディーズ!)を辿りつつ、リアルタイムで追いかけるうちに、まんまとハマってしまった・・・という人は少なくないはずだ。思えば、1984年は『ネバーエンディング・ストーリー』や『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』が公開された年。多感な少女はもちろん、時代がファンタジーを求めていた頃だった。

・・・と、スタレビについて書いていたつもりが、いつしか甘酸っぱい記憶がフラッシュバック。当時のヒットナンバーをサブスクで聴いてみると、そのクオリティに改めて驚かされた。無機質なビートとキラキラしたシンセの響き。明るくてどこか切ない近未来感。これぞ80年代ポップス! な懐かしさはありつつも、まったく古くない。洗練されたサウンドは、世界的ブームを巻き起こしているシティポップにも通じるものだ。事実、スタレビの『はっきりしようぜ』をアンジュルムがカバーしたのがきっかけで、スタレビにハマった若者もいるという。

◆ツアーで年間80会場を巡るライブバンド

ボーカルの根本要(MCの達人)に脳血栓が見つかったり、パーカッションの林“VOH”紀勝(現在療養中)が喉頭がんになったり。年齢なりにいろいろありつつも、1981年のメジャーデビューから現在まで、解散はおろか休止もせず、マイペースで活動を続けてきたスタレビ。それだけで十分に「夢伝説」でしょ、と思うのだが、さらに彼らが伝説なのは、デビューからほぼ毎年、年間50~80本近いのライブツアーを敢行してきた「ライブバンド」だという点だ。

年間80本って・・・。今どきデビューを目指す若手バンドでも、そんな無茶はしないだろ!と突っ込みたくなるが、とにかくライブが好きで、観客と触れ合うのが好き。だから、育児中のお母さんでもライブ会場に足を運べるように公演時間を日中に設定する。そんなふうに熱らず、驕らず、昂らず。ファンと一緒に楽しく年齢を重ねている彼らの姿に、音楽かくあるべしだよな~としみじみ。配信もいいけど、やっぱり生のライブでなきゃ得られないものもある!

ちなみに今回、「大阪城音楽堂」でおこなわれるライブ(9月16・17日に)は、2022年発売された初期作品をリテイクしたミニアルバム『ブギウギ ワンダー☆レビュー』ツアーの番外野外編。エンタメ性あふれるステージが身上のスタレビだけに、んなアホなホーンズを迎えての番外野外編は当然普通で終わるわけがない。チケットは7月1日に一般発売(指定席8500円)。

文/井口啓子

(Lmaga.jp)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

関西最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス