「ほっこりする」「素敵な取り組み」と話題 親子の悩みを解決する、京都市動物園の「どんぐりポスト」
毎年秋以降、公園などに落ちている「どんぐり」。小さい子どもが楽しそうに拾い集める様子を目にすることも多いのでは。しかし拾った後の処理に困るのも、子育て世代が思う「どんぐりあるある」。自宅に持ち帰って放っておくと、なかから虫が出てきたり、腐ってしまったりすることも(しかし勝手に捨てると怒られる)。
そんな手持ち無沙汰になりがちなどんぐりを有効活用する取り組みをおこなっているのが、「京都市動物園」(京都市左京区)だ。同園では2023年12月17日までどんぐりを回収する「どんぐりポスト」を入り口近くに設けており、SNSで「こういう取り組み素敵」「ほっこりするなあ」など話題に。この取り組みについて、同園の広報担当者に話を訊いた。
■ 77kgものどんぐりが集まった──家に持ち帰ると、ちょっと困った存在になりがちなどんぐりが、親子ともに納得してさよならでき、さらには動物たちのためになると、三方よしの取り組みに多くの人が感心していました。この取り組みはいつから始めたのでしょうか?
どんぐりを好む動物がおり、園内にもどんぐりがなる木がありますが、担当者だけでは拾いきれないので、来園者にも協力してもらうために、2019年10月に設置したのが始まりです。
2020年~2022年はコロナ禍のため休止していましたが、2023年10月に再開して12月17日まで設置していました。
──集まったどんぐりは、どのような動物が食べるのでしょうか?
ゴリラ、ニホンツキノワグマ、ヤマアラシ、フサオマキザル、リス、オシドリなど。また、ドングリ虫は、ホロホロチョウ、ニホンキジ、ウズラなど、さまざまな動物の餌になります。2023年は77kgものどんぐりが集まりました。
──どんぐりを集めて、ポストに入れた方たちからは、どのような声が届いていますか?
お子さまから、「どんぐりを拾って動物のごはんになるのを楽しみにしています」というご意見がありました。
──なんだか、こちらもほっこり温かい気持ちになりますね! ほかにもこういった取り組みはされているのでしょうか?
はい。現在は3月31日まで「ゴリラのお庭を森にしようプロジェクト」をおこなっています。これは、ゴリラのグラウンドを野生のゴリラが住む森に少しでも近づけるよう、植樹する木を募集するものです。
グラウンドに木がたくさん育つことで、ゴリラたちの隠れる場所が増えたり、木で遊ぶ機会が増えたりと、ゴリラたちがより快適な環境で過ごせるようになります。お家のお庭にある不要な樹木などがあれば、是非ご連絡のうえお持ちいただければと思います。
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樹木の持ち込み方法などは公式サイトにて。京都市動物園の営業時間は朝9時~夕方4時半(3月~11月は夕方5時まで)。
取材・文/野村真帆
(Lmaga.jp)