行列店がたった5カ月で閉店……からの即復活 珍しいペペロンチーノ専門店、ニンニク気になりそうなのになぜ人気?
2024年3月に大阪駅前第1ビルにオープンし、あっという間に行列店になったかと思えば7月に閉店した「ペペロンチーノ専門店 ぺろん」。9月6日に、大阪市西区の肥後橋の路地奥に再オープンした。初日は、ほとんど告知をしていなかったにも関わらず、オープン前から20名ほどが並び、昼時には行列を見て並ぶことをあきらめる人も。
駅ビルでのオープン時は場所柄、客層は男性のサラリーマンが多めと見込んでいたが、ニンニクと唐辛子で作るペペロンチーノの専門店という物珍しさもあり、フタを開けてみれば男女比は5対5で、若い女性客も来店。同店の看板メニューであるペペロンチーノは、ニンニクがガツンと効いた中毒性のある味で、リピーターを獲得していった。
口コミやSNSを通じてファンが増え始めた頃、テレビで紹介され、さらに人気が爆発。最高4時間待ちになったこともある。店舗契約の関係で、大阪駅前ビルの店舗を閉店したが、良い物件との出会いがあり肥後橋での復活となった。肥後橋店のオーナーである池田博さんは「閉店してからインスタのフォロワーも1000人を超えたため、ほんとはもっと早く開店したかったんです」と話す。
■ なぜペペロンチーノ専門店を?今やボロネーゼに特化した専門店は増えたが、なぜニンニクたっぷりのペペロンチーノなのか? きっかけは、もともと他店でまかないとして出していたペペロンチーノが好評だったことだそう。そこで専門店化するにあたり、「いろいろと具材を選べるほうがメニューの幅が広がる」と、シンプルな具なしのペペロンチーノに、トッピングこと「とっぴん具」を選べるスタイルが考案された。
ニンニクの匂いを気にする人もいるのでは?と懸念してしまうが、先述の通り女性にも人気となり、池田さんは「コロナ禍でマスク生活になったことと、若い女性の間で、キムチなど匂いの強いものがある韓国料理が流行し、ニンニクの香りにも昔ほど抵抗がなくなったのでは」と推察する。
新店舗では、オペレーションを見直して効率を上げたことで、調理時間が短縮され、客の待ち時間も減らせるように。味の面でもソースはニンニクのガツンとした香りはそのままに、以前よりマイルドに。コシが強めの麺にも変え、食べ応えがアップした。オープン前のレセプションでは「前より食べやすくなった」と好評だったとのこと。
パスタの量は、並(700円)と大盛り(1.5倍+200円)が選べる。ペペロンチーノにしっかり味がついているため、トッピングなしの素で楽しむ人もいるが、やはり現在14種ある「とっぴん具」も気になるところ。ちなみに人気なのは、ベーコン(300円)と黄身(蘭王 〈らんおう〉150円)とのこと。
しらす(300円)でボリューム感を出したり、大葉(100円)を加えて爽やかにしたりするなど、アレンジしてほかにはないペペロンチーノが味わえるのも魅力。テーブルに置いてある生とうがらしと酢で味変をすることも可能で、「残ったソースをパン(100円)につけて食べるのもおすすめです」。
「ペペロンチーノ専門店 ぺろん 肥後橋店」(@peperoncino_shop)は、今のところ支払いは現金のみなのでご注意を。営業時間は月~土曜は11時~15時、17時~21時。日曜は11時頃~15時。今後は10月に森ノ宮に2号店、今年中には大阪駅前第4ビルにも店舗をオープン予定。さらにフランチャイズ店舗も増やしていきたいと、将来的には並ばずとも気軽に楽しめる存在となっていきそうだ。
取材・文・写真/二木繁美
(Lmaga.jp)