「上方歌舞伎」を盛り上げる!フレッシュな若手たち、2月の特別公演に意欲
大阪府&大阪市などが、大阪の文化を世界に発信するために立ち上げた『大阪国際文化芸術プロジェクト』の一環として、来年2月に開催される『立春歌舞伎特別公演』。出演者8人が出席する会見では、これからの上方(関西)歌舞伎を担っていくフレッシュな若手からも、意欲的なコメントが飛び出した。
■ 「関西の若手は本当に少ない状態」(壱太郎)数ある歌舞伎の演目のなかから、関西が舞台の物語や、上方の人情や風情を活かした作品を上演する公演。今年は昼の部で、歌舞伎のバラエティ性を知らしめる選りすぐりの3本を上演し、夜の部は「歌舞伎3大名作」の一つ『義経千本桜』のダイジェスト版をお送りする。『義経千本桜』では、片岡愛之助が客席の上空を飛んでいく「宙乗り」に挑むのが見どころだ。
今回は、現在の歌舞伎界を背負って立つベテラン・中堅どころに加えて、中村鴈治郎の息子・壱太郎、中村扇雀の息子・虎之介、市川中車の息子・團子の若手たちも、父たちと共に出演。虎之介は「『(本朝廿四孝)十種香』の(武田)勝頼役は、自分がぶち当たる大きな壁の一つと思っていました。こんなに古典の名作がそろう公演を大阪でできるのは、上方の家に生まれた自分としても、とてもうれしいです」と前向きに語った。
「スーパー歌舞伎」の出演などで、ここ最近注目度急上昇の團子は「大阪松竹座は今年の6月に初めて出させていただきました。今回は最年少で、演じる3つのお役はすべて初役。『義経千本桜』では人生ではじめてお姫様のお役に取り組み、赤っ面のお役(※下っ端の悪役。顔を赤く塗るのがお約束)の亀井六郎も務めます。一生懸命がんばります」と、貴重な機会になることを明かした。
女形のホープ・壱太郎は、会見に同席し、今年9月に『あらしのよるに』で共演したばかりの中村獅童に「(話が長くならないよう)時計見なさいよ」とイジられながらも「獅童兄さんとは『封印切』で男女の関係を見せるので、本当に心と心で芝居させていただけたら」と抱負を述べ、さらに「歌舞伎の若手世代はたくさんいるんですけど、関西の役者は本当に少ない状態。これから関西も、ともに若い力で盛り上げていきたいと思っています」と、将来の上方歌舞伎を背負って立つ決意を語った。
『立春歌舞伎特別公演』は、2025年2月1日~16日に「大阪松竹座」(大阪市中央区)にて。チケットは一等席1万5000円、二等席9000円、三等席5000円で、11月16日から発売開始。
取材・文・写真/吉永美和子
(Lmaga.jp)