京都で「映えすぎる」蜷川実花の個展、造花が咲き乱れ…絵巻のような空間が満載

写真家・映画監督の蜷川実花による、京都の街からインスピレーションを受けた作品展『蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影』が、1月11日より「京都市京セラ美術館」(京都市左京区)で開幕。まるで絵巻物に入り込んだような没入感が楽しめる。

■ CGはなし!すべて写真・映像を使用蜷川とクリエイティブチーム・EiM(エイム)が日常の「光と影」にフォーカスし、映像によるインスタレーション、立体展示など10作品を手がけた同展。歴史ある京都で「異界への扉を発見したい」と街歩きをし、感じたことを表現したという幻想的な作品は、すべてCGではなく現実の写真・映像を用いたもの。

会場入口の窓には、花々の写真が印刷されたフィルムが貼られ、外の京都の風景から異界へと誘われる仕掛けが。その先には闇空間が広がり、数々の水槽に鳥居や錦市場、市バスなど京都の街並みがぼんやり映し出される。

奥へ進むにつれて、4000本以上の真紅の彼岸花で埋め尽くされた道、手作業で10万個のパーツがつながれた煌めくクリスタルガーランド(吊り装飾)など、作品の中に入りながら「現実と虚構」が混ざり合う感覚に。「生と死」の象徴とされる彼岸花、クリスタルに混ざる宝物(ハートや蝶)といったモチーフから、鑑賞者の過去や感情との結びつきも意識したという。

また、同展のシンボルともいえる作品『ドリームズ・オブ・ザ・ビヨンド・イン・ザ・アビス』は圧巻。天井からも造花が咲き乱れる楽園のような庭を抜けると、四季折々の風景がLEDディスプレイに投影される空間へ。ここは天井と床が鏡になっていて、絢爛豪華な桜や花火に囲まれながら、天へ上がるのか、奈落へ落ちるのか「黄泉」を彷彿とさせる展示に。

ほかにも、スクリーンの表裏から投影することで映像が重なる仕掛けや、人の背丈ほどのガラスパネルに配された写真など、鑑賞者を「奥へ引き込む」展示が随所に。香りや振動を感じる音楽の演出にもこだわり、作品全体を通して、相反するものの「境界線から生まれるゆらぎ」から多様な発見ができる空間を展開する。

グッズ売場には、ネイルキットやガラスリングなどオリジナルグッズが多数。限定パッケージの「聖護院 生八ツ橋」(1080円)、絞り染めで有名な「片山文三郎商店」の「BUNZABURO プチバッグ」(1万2100円)など、京都の老舗とのコラボ品も登場する。

同展は「京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ」にて、3月30日まで開催(休館日あり)。時間は朝10時~夕方6時(入場は夕方5時30分まで)。料金は一般2300円ほか。

取材・文・写真/塩屋薫

(Lmaga.jp)

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