中田カウス「成長ならいいが、膨張なら爆発する」…増える芸人への思い「若い子のことも見ている」
笑いの殿堂「なんばグランド花月」(大阪市中央区)にて、1月13日におこなわれた『第十回 上方漫才協会大賞』。公演後の囲み取材に上方漫才協会会長・中田カウスらが出席し、昨今の芸人事情について語った。
■ 「危険だなとも思う」若手芸人への思い
若手芸人の育成・サポートを目的として設立された「上方漫才協会」が2016年より主催している同コンテスト。10回目という節目を迎えた今回は、歴代の大賞受賞者が集い、カウスの芸能生活60周年を祝うため「吉本興業」の岡本昭彦代表取締役社長が駆けつけるなど、ひときわ豪華な公演となった。
公演後の囲み取材には、カウスに加えて大賞を受賞したドーナツ・ピーナツ、新人賞のジョックロック、特別賞の令和ロマンが登場。同コンテストへの手ごたえや劇場でネタをすることの重要さを明かしたカウスは、「こんな素敵な仕事はないと思うのですが、旧態依然として昔から体制は何も変わっておりません。非常に不安な仕事なんですね」と芸人という職業の厳しさを語った。
さらに、周囲の芸人らに「どうですか、(芸人になるとき)反対されましたか?」と聞きつつ、「今年ね、NSC(吉本興業の養成所)はすごい数の生徒がいるんですけど、(家族から)反対された子が数人しかいなくてね。僕はそれが危険だなとも思うんですね」と警鐘を鳴らす一幕も。
「反対されてもそれをやりたいというのが才能であり、この世界に入ったときにまず親に安心してもらいたい、そういった後ろめたさをある時期は背負いながらやらなアカン仕事なんです。今はNSCの入学金が親が払う時代が来ていますから・・・」と、時代の変化についてコメント。
続けて「吉本興業は今、芸人も6000人くらいいる。これが成長ならいいけど、膨張なら必ず爆発するね。今のところ成長だと僕は安心しているんですけど、気を許すといつどうなるやらわからないというのが商いですから。いつも僕は言いますけど、薄氷の上を歩くような気持ちで毎日暮らしてますし、若い子のことも見ています」と、シビアな目線を見せた。
取材・文/つちだ四郎
(Lmaga.jp)