笑いの殿堂「なんばグランド花月」（大阪市中央区）にて、１月１３日に開催された『第十回 上方漫才協会大賞』。『Ｍ-１』２連覇の令和ロマンをはじめとする４６組のノミネート芸人のなかから、ドーナツ・ピーナツが大賞に輝いた。

■ 中田カウス「見えない力が働いたのかなぁ」

若手漫才師たちの育成やサポートを目的に設立された「上方漫才協会」が、前年に活躍した大阪・東京の芸人たちを対象に授与する同賞。今回で１０回目という節目を迎えたこともあり、オープニングから見取り図やミルクボーイ、ダブルヒガシといった歴代受賞者が一堂に会するという豪華な幕開けとなった。

各分野のプロデューサーが複数組の芸人を推薦し様々な角度から評価をおこなった結果、最終ノミネート組としてドーナツ・ピーナツ、フースーヤ、ｃａｃａｏ、マユリカ、紅しょうが、エバース、ナイチンゲールダンス、令和ロマンの８組が発表された。

会場に集まったお笑いファンたちが見守るなか、見事大賞に輝いたのはドーナツ・ピーナツの２人。共に福岡県に生まれＮＳＣ東京校を卒業するも、現在は大阪を拠点に活動しているコンビで、昨今はバラエティ番組『マルコポロリ！』（カンテレ）のスタジオレギュラー若手枠や、「かんさい情報ネットｔｅｎ.」（読売テレビ）の火曜コーナーレギュラーに抜擢されるなど、関西で活躍の幅を広げている。

同協会の会長であり２人の師匠でもある中田カウスは「大穴やなぁ。なぜかデータを追ってると、いきつくんですね。見えない力が働いたのかなぁ」とボケを交えてコメント。

さらに、「後半えらい追い上げてきましてですね。僕も時々チェックしてました。単独ライブ観に行きました。お客さんも満席やし、よくウケてました」と褒めつつ、「今年から芸名を変えます。『えこひいき』にします」と観客に向かって宣言し、笑いを誘っていた。

■ 「『えこひいき』されるくらいの愛嬌が無かったらダメ」

その後におこなわれた囲み取材に出席し、今後の目標を聞かれたドーナツは「ＮＧＫでしっかりウケること。僕らって多分、今日の受賞者の中で一番無名やと思ってるんで、劇場に来てくれたお客さんに笑ってもらって『大賞、この子らやな』って言ってもらえるよう頑張りたいです」と真剣な面持ちで語った。

同じく囲み取材に出席し、「僕は芸能界で生きていく上において一番大事なのは、縁と運とえこひいきやと思ってます。えこひいきも響きは悪いんですけど、えこひいきされるくらいの愛嬌が無かったらダメなんです」と持論を語ったカウス。

さらに、「彼ら（ドーナツ・ピーナツ）は弟子で、やっぱり親子ですから。だから『えこひいき』って言葉を使ったんですけど、（選考は）僕一人で決めてるわけではないですから、どちらかというと令和ロマンにえこひいきしてるのが正解かな」と話し、そのうえで「今日の大トリのネタを見て、よく頑張ったなって思いました。ちょっと安心しました」と親心を見せていた。

ほかに、新人賞をジョックロック、話題賞をバッテリィズ、特別賞を令和ロマンがそれぞれ受賞した。

取材・文／つちだ四郎

(Lmaga.jp)