望海風斗、新作舞台がもどかしい?「自分の歌の幅を広げる経験に」
元宝塚歌劇団雪組トップで、退団後は『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』など、数多くのミュージカル作品に出演している望海風斗。オペラに革命を起こした伝説のソプラノ歌手、マリア・カラスを演じる最新主演舞台『マスタークラス』の記者発表が、1月14日に大阪市内でおこなわれ、初めて「歌わない役」に挑む心境を語った。
宝塚在籍時代から、歌唱力の高さを評価されてきた望海。『マスタークラス』は晩年のマリア・カラスが、実際に音楽学校で行った公開授業(マスタークラス)をベースにしたストレートプレイだ。日本では黒柳徹子主演で1996年&1999年に上演されて以来、実に26年ぶりの公演となる。マリア自身はこの舞台では歌うことはなく、生徒たちが歌うオペラに乗せて、彼女の波乱万丈の人生が浮かび上がってくる・・・という趣向だ。
この作品について「最初に戯曲を読んだときは、結構セリフも多かったので『これはすごく難しくて、大変な作品なんじゃないか?』と思いました」と、その内容の分厚さにひるみつつも「マリアの言葉は、自分自身にもすごく響くものがありました。厳しく聞こえるけれど説得力がすごくて、いろんなことを戦い抜いてきた、孤高のトップの方の言葉だなと。それが自分のなかから生み出したかのようになるまで、落とし込んでいくのが大事な作業になると思います」とプランを明かした。
マリアの役作りのために、現在はセリフの随所に出てくるイタリア語の発音や、オペラの発声を学んでいる最中。宝塚入団のときにも、歌は学んだはずでは? と思いきや「(宝塚音楽)学校で習ったことは、本当に(クラシックの)触りでした。今回自分が(舞台で)歌わないのはもどかしくなると思いますけど(笑)、この機会に共演者の皆さんから勉強させてもらって、自分の歌の幅を広げていけたらいいなと思います」と、どん欲に吸収していく姿勢を見せる。
アンジェリーナ・ジョリー主演の伝記映画が公開(Netflixで配信中)されるなど、マリア再評価の機運が高まっているだけに「映画で予習していただいて、それで興味を持って来ていただけたらいいですね」と期待し、さらに「芸術に限らず、仕事で悩んでいる現代人にも突き刺さる言葉がたくさんあるのではないかと。本当に公開授業を見学に行くような気持ちで、かしこまらずに来ていただけたら嬉しいです」と観劇を呼びかけた。
望海のほかには、池松日佳瑠(ソプラノ)、林真悠美(ソプラノ)、有本康人(テナー)などが出演。演出は森新太郎がつとめる。3月の東京、長野、愛知公演を経て、大阪公演は4月12日~20日に「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)にて。チケットは一般1万1000円、25歳以下6000円で、2月1日発売開始。
取材・文・写真/吉永美和子
(Lmaga.jp)
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