「子どもがパンを触る」「抱っこしていると足が…」子連れでパン屋は難しい? 悩みを払拭したベーカリーの試みとは
「小さな店だとベビーカーでは入りづらい」「抱っこひもをしていると子どもの靴がちょうどパンの並ぶあたりになるので衛生的に気なるし…」「子どもがパンを手で触ってしまうこともあって、ゆっくり選んでいられない」。小さな子どもを連れて行きにくい場所として、SNSでも話題に上がるベーカリー。
そんななかで、小さな子どもを連れていきやすく、さらには子どもも一緒に楽しめると話題になっているのが「PANTOAAU(パントアーウ)」(兵庫県加古川市)。2023年6月にオープンして以来、子どもが自分で買い物できるキッズコーナーが注目されている。
通常のパン売り場の奥にある同コーナー。開閉式の扉のついたボックスが低めの棚に並び、そのなかには動物などのかわいらしい形のパンが7~8種。キッズ用トングとカゴを手に、自分で開けて、取り出すスタイルだ。取材時では、入店して一目散にキッズコーナーに向かう子どもの姿もあった。
「かわいいパンを見てテンション高くなっている子どもたちが勢いあまってパンを手で直接触らないように、また低い位置に陳列されるパンの衛生面を配慮して扉付きのボックスを採用したのですが、開けたり閉めたりする行為そのものも子どもたちに楽しんでいただけているようです」と店長・有馬さん。また、ボックスの扉は、バタンと閉じて指を挟まないように、ゆっくりと閉じる設計になっているのも細やかな配慮だ。
有馬さんご自身も6歳の娘さんを持つ父親として、実生活での経験を取り入れたコーナーだそう。パンの会計時も「店が混雑していなければ子どもたちがチャレンジすることも可能です」と、子どもが挑みたがるレジ体験もレジ待ちの列さえなければウェルカム。また、ベビーカーでも通りやすいように通路が広くとられているのもポイントだ。
同店を手がけるのは加古川の老舗「ニシカワ食品」。近畿圏のスーパーマーケットのベーカリーコーナーのパン製造と加古川市内の学校給食のパン製造などを行なっているほか、直営店「石窯パン工房パン・ド・ミ稲美店」を運営している。
今回の店舗は、もともと子ども向けを意識したのではなかったそうで、「創業70周年余経った今、次世代型店舗を作ろうとスタートしたのが『パントアーウ』です。ターゲットを絞らず、幅広いお客様に楽しんでいただけるお店をコンセプトに、パンの販売だけでなく、カフェスペースを設け、パンと合うコーヒー・紅茶・ワインの提案も。訪れるのが楽しくなるような店づくりを考えました」と有馬さん。その結果、親も子も楽しめるスタイルに。
ベビーカーで2人の子どもと訪れた20代女性は、「かわいいパンが並ぶキッズコーナーのあるパン屋さんがあるよ、と友達に聞いて来てみました。子どもたちは自分でパンを選んでお買い物をするという、ちょっと大人な体験もできてうれしそうです。カフェにはキッズチェアもあるのも助かりました。また来たいです」と話してくれた。
キッズコーナーのパンは、動物パンシリーズなど季節によって変わるパンが常時6~10種(000円~)、通常のパンコーナーにはドーナツ、デニッシュ、食パンなど常時90~100種のパンが揃う。今後は、惣菜パンも増える予定。JR加古川駅から南へ徒歩約3分。営業時間は9時~19時(カフェのラストオーダーは~18時)、定休日はインスタグラム(@)で確認を。
取材・文・写真/いなだみほ
(Lmaga.jp)
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