構想11年…関西初!ローカル電車×プロレスの念願タッグが実現 車内でホームでバトルロワイヤル
「能勢電鉄」(兵庫県川西市)と「大阪プロレス」(大阪市城東区)が初のコラボイベントを開催。走行する車内でプロレスを観戦できる『新春のせでんプロレス電車』が1月某日におこなわれた。
今年で開業112年。川西能勢口駅と、妙見口駅、日生中央駅を結び、兵庫県と大阪府の府県境を走る「能勢電鉄」。これまで「ビール電車」「おでん電車」「ハロウィン・トレイン」などの貸切列車を企画してきた同社の最新イベントが「プロレス電車」だ。地元川西市在住のプロレスラー、ビリーケン・キッド選手が所属する「大阪プロレス」との初タッグとなった。
◆「おもしろい電車」と思われたい!ローカル線の厳しい事情イベント列車開催のきかっけについて、同社の担当者は「少子高齢化や生活様式の変化などで、地方の鉄道は非常に厳しい状況です。その中で大手鉄道会社にはできないローカル線だからこそできる取り組みで、1人でも多くのお客様に『のせでん、おもしろい!』と思ってもらいたい。そんなブランディングの一環でさまざまな企画を行っています。今回のプロレス電車も、関西エリアでは初の取り組みとしてぜひ実現させたいと、11年前からビリーケン・キッドさんにオファーをしていて、今回やっと実現しました」と話し、今回念願のコラボレーションだったことを明かした。
同社としては、今まで企画してきたイベント列車とはジャンルが異なり、また大人12000円という価格設定もあって、当初集客を不安視する声もあったそうだが、定員172席のチケットは12月に完売。当日は、4両編成の車両に満席の観客を乗せ、プロレス電車は出発した。
◆ 見慣れた駅の風景に突如レスラーたちが現れたプロレス電車の出発前、阪急電鉄からの乗り換え駅となる「川西能勢口駅」では、改札内に入るとすぐにレスラーやスタッフたちが総出で来場者をお出迎え。さらにホームでは、レスラーたちが試合前のウォーミングアップを念入りに行った。これには見慣れた駅での不思議な光景に、一般の利用者たちも驚いている様子。
定刻になると、大阪プロレスのゼウス、ビリーケン・キッド、松房龍哉、タイガースマスク、アルティメット・スパイダーJr、くいしんぼう仮面、えべっさん、大坂丈一郎、タコヤキーダー、佐野蒼嵐、ブラックバファローが勇ましく車両に次々乗り込み、お客さんたちのボルテージも一気に上昇。走行する車内で、座席に座る観客の目の前でバトルロワイヤル方式で試合がスタートした。
◆ ゼロ距離で試合、というか観客も全員参加!?走行する電車ならではの、カーブや揺れによりいつもと勝手が違う中で、つり革や座席を活用するなどして繰り広げられる迫力あるパフォーマンスに参加者たちも拍手喝采。途中、観客たちが「レフェリー!」と一生懸命大声で隣の車両にいるレフェリーを呼び込んだり、ショートコント的な展開に参加したり、試合に参加する場面も。全員参加でバトルを盛り上げた。
大阪プロレスを中心にプロレス観戦が趣味という参加者は「いろいろな試合を見てきたが、電車での試合ははじめて。揺れる不安定な状況、さらに車両間の移動なんかも電車ならではで、とても面白かった。ずっと場外乱闘続いているような形で、選手たちの闘志を間近で感じることができた」話す。
車内プロレスののち、日生中央駅でのファンサービスタイムも。各選手からサインをもらったり、記念撮影をしたり、交流できる時間もたっぷり。平野駅車庫前に設置された特設リングでも、子ども向けプロレス教室を行うなど、大阪プロレスならではの楽しい「ファンサ」に、参加者から笑顔が溢れた。
選手たちと撮影を楽しんでいたお父さんと9歳の息子さんは「プロレス観戦が好きで、自分はひとりでよく観に行っているが、子どもがまだ小さいので、今まで試合には連れて行けなかった。地元の電車で行われるならと、今日息子をプロレス観戦デビューさせました。息子もとても楽しんでいて、また観たいと言っています」と話し、ファミリー層にも好評だったよう。
◆ ビリーケン・キッド選手「プロレスはどこでもできる」最後は特設リングでも参加選手全員での試合が行われ、行き交う列車を背景に、迫力あるパフォーマンスを参加者は楽しんだ。10選手が参加した戦いを制したのはビリーケン・キッド選手。特別列車に掲出されていた「新春プロレス電車」のヘッドマークが贈呈された。
最後にビリーケン・キッド選手はマイクパフォーマンスで「11年前に能勢電鉄さんから『電車内でプロレスができないか」と初めて相談を受けた時、『リングがないとプロレスはできない』即答してしまった。でもその後心を入れ替えた。このようにプロレスはどこでもできます!」と今後も挑戦を続けていくことを、高らかに宣言した。
イベント終了後、同社の担当者に今後のプロレス電車実施やその他の企画について尋ねると「鉄道事業社として、今日の本番までお客様と選手が安全に楽しむということを重視して準備してきた。今回、能勢電鉄としても大阪プロレスとしても初めての試みだったので、反響が大きければ、第二回の実施を検討していきたい。今後も、安全面がクリアになる面白い企画は可能な限り挑戦して、ファンを増やしていきたい」と語った。
(Lmaga.jp)
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