祭りからエレキテルまで…再現度の高さにSNS驚愕、「#尾美としのりを探せ」も完結!?【べらぼう】
横浜流星主演で、数多くの浮世絵や小説を世に送り出したメディア王・蔦屋重三郎の、波乱万丈の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。3月23日放送の第12回「俄(にわか)なる『明月余情』」では、吉原の大祭「俄」がついに開幕。町を二分したダンスバトルや、思いがけない逃避行にSNSは終始盛り上がった。
■「俄」の祭りに盛り上がる吉原…第12回あらすじ吉原全体をあげた祭「俄」を開催するにあたり、大文字屋市兵衛(伊藤淳史)と若木屋与八(本宮泰風)が、主導権を争って睨み合っていた。しかし吉原の馴染み客・平沢常富(尾美としのり)は、対立があると祭は盛り上がると蔦重に助言し、みずからも俄の出し物の指導を行う。さらに重三郎が直伝の正本を出している、浄瑠璃の富本豊前太夫(寛一郎)も協力し、一カ月に渡る俄が幕を開けた。
祭がはじまると、重三郎は絵師・勝川春章(前野朋哉)と組み、実は「朋誠堂喜三二」という戯作者だった平沢の序文で、祭りの様子を仔細に描いた冊子『名月余情』を発売。これが祭の記念として飛ぶように売れ、俄の方も最終日には、大文字屋と若木屋がそろって「雀踊り」を踊るという大団円に。その喧騒のなかで、かつて足抜に失敗した浪人・小田新之助(井之脇海)と女郎・うつせみ(小野花梨)は、手を取り合って姿を消した・・・。
■ 胡散臭い!? 平賀源内の発明「エレキテル」毎年大河ドラマを観るたびに、その時代の各種イベントを再現するスタッフの技術力と気合に感心させられるのだけど、この第12回の撮影は『べらぼう』のクライマックスと言える回だったと思われる。クレジットされているだけでも、50名以上が参加した「俄」のリアルな迫力にも恐れ入ったけど、それと同じぐらい視聴者が興奮したのは、実物を忠実に再現した「エレキテル」だったと思う。
平賀源内(安田顕)と言えば、まず真っ先に頭に浮かぶ「エレキテル(ゑれきてるせゑりてい)」。しかしこれが高尚な発明ではなく、「どんな病も治る」と悪徳商法のような売られ方をされていたところに、SNSでは「静電気で悪い気が出るかなあ?(出ないね)」「プラシーボ電気ショック療法」「エレキテル・・・インチキ商法だったのか」「耕書堂の本の裏表紙に『これで私も健康になりました!』みたいな広告出さない?」などのツッコミが湧き上がった。
■ 「#尾美としのりを探せ」の公式答え合わせその源内からのアドバイスによって、重三郎が最近知り合いになった吉原常連の武士・平沢常富が、今をときめく戯作者・朋誠堂喜三二ということが判明。重三郎がそれを聞いた瞬間、これまでの平沢の登場シーンが一気に回想され、「#尾美としのりを探せ」というハッシュタグまで作られた、平沢様探しの答が明かされるという形に。ちなみに筆者、第3回だけどうしても見つけられなかったので「ここだったのかよー!」と、ようやく胸のつかえが取れた気分だった。
SNSも「尾美としのりを探せ、完全答え合わせキター!!」「答え合わせをまさか本編でやってくれるとは思わなかったw」「今までのモブシーンがきちんとフラッシュバックされるなんてNHKは律義すぎる」「最高難易度の第3回が一番蔦重とニアミスしてるのズルいやろ」「正解者には何かプレゼントありますか?(ない)」などと盛り上がった。ちなみに番組の公式X(旧ツイッター)で、尾美は「もう探さないでください」と平沢様探し終了を宣言したので、寂しいようなホッとするような気分だ。
■ 大文字屋 VS 若木屋のダンスバトルに胸熱そうしてはじまった俄の祭りは、吉原の通りで突発的に行われる歌舞伎や舞を、エレクトリカルパレード状態で見られるという大掛かりな催しだった。そのなかには禿たちが、豊前太夫の富本節にあわせて「曽我兄弟」を演じるシーンも。今も歌舞伎で大人気の曽我兄弟の仇討ち話は、太夫役の寛一郎も出演した大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも登場したエピソードのため「公暁が曽我物語を語る日がくるなんてw」「頼朝の息子を暗殺した顔が実は頼朝暗殺未遂事件の曽我兄弟を読み上げるって結構シュール」と混乱? する声が。
さらに大文字屋と若木屋は、毎日雀踊りでダンスバトルを繰り広げることに。群舞のパレードだけでも十分盛り上がるのに、それが対決状態になるとか、それこそ「火事と喧嘩は江戸の華」と言い切る江戸っ子たちにはたまらない構図だっただろう。しかし振付は違えども、同じビートに合わせて踊りつづけたことで気持ちが通じ合ったのか、最後はお互いの健闘を称え合って、オーディエンスも巻き込んで一緒に踊るという、これ以上はない理想的な幕切れとなった。
SNSでも「戦いの末に友情が芽生えたwww」「ダンスバトルがダンスコラボへ」「殴り合いの大喧嘩したモン同士が『お前やるじゃねーか』『お前もな』ってなった感ある」「最後はもう全裸になるしかないって観客の期待を上げといて、一緒にWAになっておどろうになるのいいよね」「互いの実力を認めあってエール交換するやつ、日本人の好きな粋展開の極致だ」などの、2人の和解を喜ぶ声があふれた。
■ 祭りの多幸感が生んだ、ロマンチックな再会平沢様の『名月余情』の名序文「人と我を合わせて『俄』と言うように、自分も他人ももう全部一緒!」という、まさに神が降りたような多幸感がそうさせたのか。いつも態度がツンツンしている松の井(久保田紗友)が、新之助を見つけたうつせみに「祭りに神隠しは付き物でござんす」と、優しく背中を押した! まさかの方向からの逃亡アシストに、SNSでは驚きと称賛のコメントが。
「きゃーー。良いおんなーーー」「粋~ッ! 今週も粋ッ! 粋グセついちゃう!!!」「冷静で正論派、今まで敢えて感情を表に出さなかった彼女の粋と優しさに惚れる」などと盛り上がる一方で、このまま逃亡したらしい新之助&うつせみにも「楽日に神隠し(再会)。末永く爆発を」「駆け落ち大失敗を、神が差配する祭りの神隠しとして成就させるとは素晴らしい脚本」「粋だけど、いね(水野美紀)さんまたブチギレ案件だろうなぁ」という、祝福と心配がないまぜになった声があがっていた。
平沢様が「祭は神様が来てるから、常には起こらないことが起こる」と言った通り「重三郎、新ジャンル本+新作家ゲット」「分裂した吉原の忘八たちの和解」「新之助&うつせみの大願成就」という、3つの奇跡が同時に描かれた、なんとも気持ちの良い回だった。が! さすが幸福と不幸のコントラストが激しい森下佳子、最後に瀬以(小芝風花)と鳥山検校(市原隼人)の暗い未来を予感させて、次週に持ち越した。ついに検校をめぐる大事件が到来するのか・・・と覚悟は決めたが、どうかお手柔らかに願いたい。
◇
大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。3月30日放送の第13回「お江戸揺るがす座頭金」では、盲人たちの金貸し「座頭金」についに幕府の調査が入るなか、鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)が再び偽版の罪を犯してしまう姿が描かれる。
文/吉永美和子
(Lmaga.jp)
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