万博の巨大な「ネギ」、閉幕後はどこへ…? ぴったりな場所へ決定「来れなかった方も楽しんで」
『大阪・関西万博』よしもとパビリオン内にある、4m(全長8m)の巨大なアート作品「問いかけられるネギ」。見る人に「これは何?」「なぜここにネギが?」という問いを生み出す不思議な作品としてSNSでも話題になっていたが、閉幕後の行き先が決定。10月6日、同パビリオン野外ステージにて譲渡セレモニーがおこなわれた。
■なぜ、ネギ?同作品を手がけたアーティスト・MASARU OZAKI氏は、「ネギという日常的なものをスケールだけを極端に拡大することで、私たちが普段どれだけ無意識にモノを見ているかに気づかせてくれる。この作品がそこに立っているだけで、人は立ち止まり、考え、誰かと語りたくなる」と想いを込めて制作した。
セレモニーのMC・アキナから、何かモチーフがあるのか?と問われたOZAKI氏は、「子どもの頃、買い物袋からネギが飛び出ていて、子ども目線だと目の前でいつも揺れてるんですよね。僕のなかの幼少期の一つの風景として残っていた」ときっかけとなったエピソードを明かした。
■譲り受けたのは…?万博閉幕後もこの作品が物語を紡ぎ続けることを願い、8月から「未来の所有者」(譲り先)を募集。その結果、歴史ある「下仁田ネギ」が名物の「群馬県下仁田町」に無償で譲渡することが決まった。吉本興業ホールディングスの泉副社長によると、「作品愛や展示計画など、熱い想いを綴った手紙」が決め手だったそうだ。
代表としてセレモニーに出席した下仁田町長・岩崎正春氏は、「下仁田ネギは江戸時代には大名の贈答用として重んじられ歴史を刻んできた。ネギは単なる農産物ではなく、大地に根差した文化であり、先人達から受け継いだ誇り」と説明。
また、「このような背景をもつ我が故郷も、現在は過疎化が進み様々な課題に直面している。大阪のような水族館や観覧車などもない。あるのは数百年前から変わらぬ険しい山々、鮎の住む清流、そして星空と静寂という原風景です。そんな日本古来の風景を守り続ける地域として自負と希望を胸に、この作品を次の世代へと受け継ぐ覚悟を持ち、名乗りをあげさせて頂きました」と力強くスピーチした。
譲り受けた「問いかけられるネギ」は、今年11月に行われる『下仁田ねぎ祭り』でお披露目。その後は町民ホールや新施設での展示が予定されており、岩崎町長は「万博に来られなかった方々にも楽しんで欲しい」と呼びかけた。
取材・文・撮影:Lmaga.jp
(Lmaga.jp)
