イチ4000安打あと116本『新たな覚悟』

 ヤンキースのイチロー外野手(39)は15日、神戸市内のほっともっとフィールド神戸で自主トレーニングを公開した。練習の合間には昨季途中に移籍し、2年の再契約を結んだヤ軍でプレーする「覚悟」を改めて口にした。既に辞退を表明している第3回WBCに関しては、フロリダのキャンプ地で侍JAPANの戦いぶりをテレビで見守ることを明かした。

 穏やかな口調に強い気持ちが見えた。昨年12月20日。イチローはヤ軍と2年契約で正式合意した日のことをはっきり覚えている。

 「ヤンキースと契約して『新たな覚悟』が生まれたというのはあの瞬間でした」。

 昨年7月にマリナーズから大きな決意をもってヤ軍へ移籍した。新天地で過ごした約3カ月。理想のチームでプレーする喜びを抱く一方で勝つためには手段を選ばない厳しさも目の当たりにした。

 現役最多の通算647本塁打、年俸2900万ドル(約26億円)の強打者、A・ロドリゲスがプレーオフで不振を理由にベンチに下げられた。

 「Aロッドでも代打を出されるチーム。それが起こりうる唯一のチームに身を置ける」。

 力なき者は去れ。勝利を義務付けられているヤ軍でなければ、生まれない『覚悟』だった。

 「もちろん、見ます」。そう言い切ったのは3月に開催されるWBCのことだ。侍ジャパン連覇の立役者はWBCへの思いは人一倍強い。しかし、今回は出場を辞退したとあって、“後輩”への言葉を求められても「出場しない僕がここで説明するべきことではないと思う」。多くを語ることはなかったが、キャンプ地でその戦いぶりを見守ることを明かした。

 年明け早々から始動している。この日は約2時間の練習を公開。約70メートルの遠投を含むキャッチボール。室内ケージでは113スイングし、広角に鋭い打球を披露した。

 自らの意思で選んだ道。日米通算4000安打まであと116本。10月に40歳を迎えるイチローが『新たな覚悟』を胸にメジャー13年目の準備を着々と進めている。

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