イチローが黒田から右翼席に豪快弾
各地でキャンプを行い、ヤンキースのイチロー外野手(39)は21日(日本時間22日)、フリー打撃で黒田博樹投手と対戦した。甘く入った変化球を右越えに運ぶなど、順調な仕上がりをみせた。
快音とともに打球は右翼フェンスを軽々と越えた。興奮する一塁側席に向かってイチローが大げさにヘルメットを掲げてみせる。マウンド上では黒田が笑っている。キャンプならではの光景。フロリダの青空の下、ほのぼのとした空気が流れた。
フリー打撃の準備をしていた黒田がイチローを見て目を丸くした。「打つんですか?」。「打つよ」。昨年5月11日以来、期せずして実現した対決だった。
マイナー投手が相手だった前日は球筋の確認に終始したイチロー。しかし、この日は積極的に打って出た。「日本のピッチャーは安心していけますから。こっち(頭)に来たりはまずない」。2打席に立って計7球のうち5球をスイング。最後の投球、内寄りツーシームを豪快に右翼席へ運び、「見てる人が盛り上がってた。(その反応も含め)トータルで面白かった」とにこやかに話した。
一方の黒田はこの日が初のフリー打撃登板。「ストライクを投げること」をテーマに打者4人、各2打席で計25球。2本の柵越えを許し、「久しぶりにバッターに投げて、打たれて気持ちよかった」。イチローへの1球を「どう反応するのかな、と思って。やっぱり、通用しなかった。すごく勉強になりましたね」と振り返った。
そんな黒田の言葉を伝え聞き、イチローがすかさず突っ込む。「なんでや!なにが勉強っすか!」。互いに調整段階。2人の日本人選手がみんなを笑顔にした。