球児、手の内見せず同地区相手に0封
「オープン戦、カブス3-4ブルワーズ」(3日、メサ)
カブスの藤川球児投手(32)はアリゾナ州メサでのブルワーズ戦に4番手で投げ、1回を無安打無失点。同地区チームを相手に手の内を隠しながらも無難な投球。初登板から3試合連続の無失点となった。
前日に宣言したとおり、きっちり布石を打った。オープン戦3度目の登板で初となる同地区球団との対戦。藤川は細心の注意を払った10球で3人を片づけた。
出番は七回。敵は目の前の打者だけではなかった。三塁側ベンチから青木をはじめ、敵軍首脳陣が観察している。「同地区なんでできることと、見せておこうという部分と両方やりました」。ストライクゾーンを意識した3球で2死にすると、仕掛けた。
左打者に対し、初球のカーブが高めに抜けると再び、同じ球種でストライクを取った。「カーブもあるよ、と。カウントの邪魔になるボールです」。続けて2つの直球でカウント2‐2とし、今度は宝刀を抜く“ふり”をした。
「ばらばらの配球で最後にフォークを投げて三振を取ってももったいないかな、と。あえて外し気味に投げました」。
外角低めへのフォークでフルカウントとし、最後は直球を詰まらせ、二飛に仕留めた。
これで3戦連続無失点。公式戦を見据えた配球で結果を出している。「もし自分が大事なポジションで投げることになれば、開幕までにバッターに対して嫌なボールとか、相手チームに対して嫌な印象を与えることが大事。こいつが出てきたら嫌だなと思われるような状態でないとチームのコマとして働けない」。チームの方針は“八回の男”。しかし、日本屈指の守護神はさらにその先を見ている。