球児、火の玉連発で“守護神”初S
「カブス6‐3ブルワーズ」(9日、シカゴ)
カブスの藤川球児投手(32)はシカゴでのブルワーズ戦で6‐3の九回に4番手で登板し、1回1安打無失点、2三振で抑えを任されて最初のセーブを挙げた。今季2セーブ目。
力で押した。新守護神として初めて立った本拠地のマウンド。名刺代わりに火の玉ストレートを連発し、地元ファンを熱狂させた。チームの連敗を止める2セーブ目。藤川は「ここでセーブを挙げれたのは自分の人生にとってすごく大きい。すごくうれしい」と言って、表情を緩めた。
出番は3点リードの九回。頭をよぎったのは、4安打3失点と打ち込まれた前回、6日のブレーブス戦だ。「忘れられるほどのドライさがあればいいんですけど、そういうわけにはいかない。恐怖心はあった」。1歳年下の青木とのメジャー初対決には「胸を借りなきゃいけないほどいいバッター。必死でした」。ホームの雰囲気を味わう余裕はどこにもなかった。
その恐怖を払しょくするかのように最速151キロの速球を次々と投げ込んだ。全22球のうちフォークは2球だけ。11年MVPのブラウンらが並ぶ強力打線に対して真っ向勝負。「力勝負はクローザーの絶対条件」と言い切った。
ストレートで押した最大の理由。捕手カスティーヨはシカゴ特有の強風を挙げた。「今日はホームに向かって吹いていたので当てられても大丈夫だと思った。風の日はフォークの制球も難しいし」。2月のキャンプ地で「風を利用したい」と話していた藤川もサインにうなずいた。
2走者を背負いながら無失点で最後を締めた藤川。試合後のヒーローインタビューを受けた後、総立ちの三塁側席に向かってウィニングボールを収めたグラブを掲げた。