イチローの“念”効果?ヤ軍三重殺完成
「ヤンキース5‐2オリオールズ」(12日、ニューヨーク)
ライトの守備位置からヤンキース・イチローが敵軍の打者走者に向かって念じた。
「走れっ!」
3点リードの八回無死一、二塁の場面で味方内野陣が完成させた三重殺。チーム3年ぶり、本拠地では45年ぶりとなるビッグプレーに「一番いいところで出た」とイチロー。「バッターランナーに走れっ!と思ってたらホントに走った」と、最後に二塁を狙って憤死した相手の“暴走”をポイントに挙げた。
前日と前々日、クリーグランドでの試合が連続で雨天中止となった。地元ニューヨークに戻ってのこの日の試合の気温は5度。イチローが「特に序盤は下(芝)が濡れてて風もあった」と話すように諸条件が重なり、体感気温はマイナス1度まで下がった。
試合日程の変更や手足の感覚がマヒするほどの寒さ。「通常どおり進んでいることも簡単ではないけど、予期せぬことが起こるとあまりプラスには働かない」。その言葉を証明するかのようにこの日は今季初の1試合2三振を含む4打数無安打で4戦ぶりのノーヒット。チームが4連勝を飾った試合で見せ場をつくることはできなかった。
例年、『助走期間』と位置づけている4月。開幕9試合で打率は・161となった。結果を求められる中、よりよい打撃感覚をつかむため、イチローの試行錯誤の日々は続く。