爆破テロ一から夜明け…イチロー黙とう
「ヤンキース4‐2ダイヤモンドバックス」(16日、ニューヨーク)
ボストン・マラソンのゴール付近で起きた連続爆破テロから一夜明け、米大リーグのヤンキースは声明文とロゴを発表し、犠牲者に哀悼の意を示した。本拠地で行われたダイヤモンドバックス戦では半旗を掲げ、試合前にはイチロー外野手(39)らが黙とうを捧げた。
ボストンで起こった爆破テロから一夜明け、ヤンキースは早くも支援態勢を整えていた。この日午後、ボストンへの哀悼の意と支援を約束する声明文と、リボンをかたどったロゴを発表した。
「われわれの思いと祈りを爆発による被害者とそのご家族に捧げ、そして勇敢に対処した警察や医療関係の方々に、われわれの尊敬と称賛の意を表します。ボストン・マラソンに関わられた方々、並びにボストン市民のみなさまと一緒にわれわれは立ち上がります」
ボストンを本拠地とするレッドソックスとはプロ・スポーツ史上最大のライバルとも言われている。また、ニューヨークは01年9月11日の同時多発テロで甚大な被害を受けるなど、大きな接点、共通点を持つ。だからこそ少しでも力になりたかった。
ダイヤモンドバックスを迎えたヤンキースタジアム内の国旗や球団旗をすべて半旗とした。試合開始前の国歌斉唱時には黙とうも捧げられた。「6番・右翼」で先発出場したイチローもフィールド上で目を閉じ、ボストンのために祈った。
昨季途中までレッドソックスに所属したユーキリスは、「街中が活力に満ちた日になるはずだった。みんなが楽しみにしているイベントの最後にあんなことが起こるなんて」と沈痛な表情で話した。三回終了時にはレ軍本拠地フェンウェイパークの名物曲「スイート・キャロライン」が流された。ライバルの枠を超えた強い絆。ヤ軍が逆転に成功したのは四回だった。