イチロー日米通算3900安打に盗塁も
「ヤンキース5‐3ブルージェイズ」(25日、ニューヨーク)
好球必打。イチローは逃さなかった。2点リードの八回1死。3番手左腕の初球、真ん中に入った145キロ直球を左前へ運んだ。前打席、六回の右前打に続く、この日2本目の安打で大リーグ通算2622本。日本時代の1278本と合わせ、3900本目の区切りの数字に到達した。
出塁してからは足で魅せた。2つのけん制を入れた相手バッテリーの警戒網をかいくぐり、二盗成功。捕手の送球がヘルメットのひさしに当たり、ヒヤリとさせた今季初盗塁だった。
盗塁は量より質。「価値観は変わらないよね」。盗塁が1点を取りに行くための手段であることは今までと同じ。ただし、今季の打順は6番以降が定位置。昨季途中まで在籍したマリナーズではリードオフマンの役割を任されていたこともあり、昨季までとの意識の違いを「ここでは目の前に来る状況が違うことが多い可能性がある」と表現した。
この日のクラブハウスにはうれしい顔もあった。左足首骨折でリハビリ中の主将ジーターが今季初めてベンチ入り。「いいっすよ。空気がガラッと変わる。いいです」。あらためてその存在感の大きさを口にした。
最近6試合は複数安打3回&打率4割と上昇気流に乗っている。次なる節目は通算4000安打。イチローが一気に大台を駆け抜ける。