イチロー「初めて」捕手ポロリも補殺
「ヤンキース5‐4ブルージェイズ」(27日、ニューヨーク)
本拠地4万258人のどよめきがため息に変わった。ヤンキース・イチロー外野手(39)の右肩がうなりを上げたのは四回の守備だ。1死三塁の場面で飛球を処理し、本塁へワンバウンド送球。ドンピシャリのタイミングで頭から滑り込んだ走者を刺したが、その興奮もつかの間、直後に捕手がボールをこぼし、セーフとなった。
思わず、守備位置で体をよじらせたイチローは「捕れたかどうか見えてないからねぇ。タイミング的にはあれって思ったけど」と複雑な表情を見せた。ただし、記録員はイチローの補殺を認め、捕手失策により打点なしと判断。前代未聞の“珍補殺”に「打点がつかないの?珍しいよね。そんなの初めてだよね。バッターはたまんないよね」と打者に同情を寄せた。
この日は二回と六回の打席で先発左腕から技ありの左前打を放ち、今季5度目の複数安打で5戦連続安打。これで最近8試合の打率・344と今季対左腕打率・370はチーム1位となった。守って、打って、勝つ。ヤ軍が3連勝で貯金を今季最多の「5」に積み上げた。