イチロー頭脳的犠打でV呼んだ
「ロッキーズ2‐3ヤンキース」(8日、デンバー)
自分の役割は心得ていた。同点の九回無死一、二塁。ヤンキース・イチロー外野手(39)が投前犠打で好機を広げ、後続の決勝点をおぜん立てした。「(バント安打で)生きることはこのゲーム、この流れでは考えないよ」。頭の中にあったのは得点圏に走者を進めることだけ。だがそこには1つの意図があった。
「ファーストストライクで決めたいよね、流れを考えれば。結果的に(1死)二、三塁になればいいってことだけではないよね」。一発必中。決勝点はきわどい判定の内野安打によるもの。狙いは間違っていなかった。
直後の守備では、左翼手のウェルズが生涯初めてサードを守った。イチローもオリックス時代の1999年に内野手(三塁)の経験があるが、1点を争う展開だっただけに「やりたくないです、あんな場面で。勘弁してください。ややこしい(打球)のが来たらたまらんよね」と苦笑いした。