球児2戦連続無失点で抑え復活へ前進

 「ナショナルズ1‐2カブス」(12日、ワシントン)

 10日に故障から復帰したカブスの藤川球児投手(32)が、2試合連続無失点。抑え復活へまた一歩前進した。ナショナルズ戦の七回に登板し、1回無安打無失点と好投した。

 一度は手にした抑えの座を取り戻せるか。右前腕部の張りで戦列を離れていたカブスの藤川が、三者凡退に仕留めた。最速94マイル(約151キロ)をマークし、計12球でフォークボール1球以外は全て直球。切れのある球で打者を押し込み、「体に何もないのが一番」と痛めていた右前腕に不安がないことを強調した。

 10日の復帰後は2試合連続で無失点。再出発は中継ぎからだった。チームを離れている間に右腕のグレッグが抑えに定着。12日までで6度のセーブ機会を全て無失点で乗り切っている。左腕のラッセルも防御率0点台と安定感があり、スウェイム監督は藤川を当面は六、七回で起用する方針。指揮官の信頼を取り戻し再び抑えを任されるようになるためには、継続的な好アピールが必要だ。

 「まだまだこれから。シーズンが終わるまで状態を上げていく」と自らを奮い立たせるように言った藤川。けがの再発を防ぐため「細心の注意を払っていかないと」と入念なケアを怠らない。「一番は元気でいること。元気であれば、ある程度できる」。

 この日は母の日で、ピンク色のバットやスパイクでプレーする選手が目立った。「遠く離れているけど、ここでプレーできているのは母親がいたから。感謝ですね。日本のときより母のことを数倍強く思った」と藤川。海の向こうの母に、完全復活の勇姿を届ける日は近そうだ。

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