イチローあと1本!大声援「うれしい」
「第1試合、ヤンキース8-4ブルージェイズ」
「第2試合、ヤンキース3-2ブルージェイズ」(20日、ニューヨーク)
ヤンキースのイチロー外野手(39)は20日、ニューヨークで行われたブルージェイズとのダブルヘッダー第1試合で2安打を放ち、日米通算4千安打にあと1本とした。大リーグで4千本の大台に達したのは4256本のピート・ローズと4191本のタイ・カッブの2人だけで、イチローは通算記録で偉業に迫った。
本拠地のファンが一斉に立ち上がり、イチローの名前を連呼した。4点リードの八回2死走者なし。その声援は打席内のイチローのためだけに送られた。
三回に三塁線を破る二塁打、七回に中前打を放ち、日米通算4千安打に王手をかけていた。イチローコールの大合唱。右翼席にはシアトルから応援に駆け付けた“イチ・メーター”の「3999」が躍った。
「これだけ知ってくれてることにびっくりしたし、うれしい。ニューヨークで打ったヒットなんて数えるほどしかないわけだから、彼らにとって重要かどうかっていうのは疑問じゃないですか。まあうれしかったですね」
しかし、結果は一ゴロ。期待に応えたい気持ちを問われ、「加味されるものはありますよ」とイチロー。「打たなきゃいけないと思っているのは毎回ですから。これまでどれぐらいそういうことを経験してきたと思うんですか、僕が」。強い口調でそう言った。
第1戦に快勝し、3時間半後の第2戦。先発を外れたイチローは同点の九回裏、一塁走者の代走で出場した。犠打で二進し、今季18盗塁目となる三盗に成功。「走らないとなんにもやらないことになるので、行こっかなあ、と。ははは」。試合後は笑顔だったが、相手左腕の2球目のスタートに「怖いよ。けん制もあるし。1球目で行きたい。でもなかなか難しい」と本音を漏らした。
最後は後続の左前打でサヨナラのホームイン。その勇気がチームを3連勝に導いた。偉業は持ち越された。しかし、みんなを笑顔にさせた。