【イチ問一答】イチロー「僕の中では遅い」 日米通算4000安打達成
「ヤンキース4-2ブルージェイズ」(21日、ニューヨーク)
ヤンキースのイチロー外野手(39)が21日(日本時間22日朝)、日米通算4000安打を達成した。ニューヨークで行われたブルージェイズ戦に「2番・右翼」で出場し、一回に左前打を放った。試合後には「半泣きになりました」と振り返った。09年には張本勲のプロ野球最多安打記録3085本を日米通算で更新。メジャー13年で2722安打を重ねた。
‐日米4000安打に到達して率直な感想は?
「あんなふうにチームメートやファンが祝福してくれるとはまったく想像していなかった。それが深く刻まれました。記録が特別な瞬間をつくるのではなくて、自分以外の人たちが特別な瞬間をつくってくれるものだと強く思った」
‐1本のヒットを打つことについて。
「プロはどの世界でも、うまくいったことではなく、いかなかったことの記憶が強く残るからストレスに関わる。そのストレスを抱えた中で瞬間的に喜びが訪れる。そして、はかなく消えていく。それがプロの世界の醍醐味(だいごみ)でもある」
‐安打の内容について。
「1打席目が一番きれいだなあと思っていた。レフトスタンドへのホームラン以外は、僕らしいと思っていました。内野安打とかだと文句を言う人もいるし、よかったと思います」
‐走、攻、守を兼ね備えた選手であり続けている。
「そもそも僕は学生時代にプロ野球選手というのは打つこと、守ること、走ること、考えること、全部できる人がプロ野球選手になるもんだと思っていた」
‐失敗がストレスになる。自分の気持ちを一定にするためには?
「毎日同じことを繰り返すことで自分を安定した状態にもっていくテクニックはある。ただ、それを毎日継続できても精神が常に安定するとは限らない。その時点でできること、考えられることをやる。しんどいと思うことがあるが、そこは頑張りを見せる。それは続けてきたつもり」
‐満足をせずにさらに上を目指すことは?
「いえいえ、僕、満足いっぱいしてます。それを重ねないと駄目だと思う。満足したらそれで終わりだと言いますが、とても弱い人の発想。満足を重ねないと次が生まれないと思っている。ものすごいちっちゃいことでも満足するし、達成感も時には感じる。まだまだと言い聞かせている人はしんどい」
‐21年前のプロ1安打目を考えることは?
「1本目は平和台で(ダイエーの)木村さんだった。実は3年は2軍でやるという気持ちでいたので、嫌々打った1本目。そして、4000本目は試合に出たくて出たくてしょうがない中で打った。そういう面白さはありますね」
‐4000本に到達したペースは?
「僕の中ではちょっと遅い。日本でも最後の2年くらいは20試合以上出られない時期があったので、もったいないですよね」
‐3年前に10年連続200安打を達成した時にP・ローズの記録を「ぜひ超えてあげたい」と話していたが?
「(ヤ軍では)明日出られるかは今日決まる、みたいな日々がずっと続いてるので、現段階ではそこにフォーカスすることはできない」