イチ逆転弾!観戦した神戸の友人の元へ
「ヤンキース8‐5オリオールズ」(30日、ニューヨーク)
ヤンキースのイチロー外野手(39)は、逆転7号2ランを含む3打数2安打2打点、1四球。右翼席へ7月14日のツインズ戦以来、37試合138打席ぶりとなるアーチを架けた。
意識したのは右方向。1点を追う五回無死二塁。好機で打席に入ったイチローが優先したのは、走者を進塁させて1点を取りに行く打撃だった。
「バントはなかったので、サインとしては。最後(八回無死二塁からの二ゴロ)みたいな感じで右側に打とうと。そのチャンスが来れば、思い切りたたこう、という感じですよね。特別なアプローチはないです」
マウンドには、昨年7月30日にヤ軍移籍後第1号を放った右腕のゴンザレス。初球、内寄りの150キロツーシームを鋭く振り抜き、右翼席へ叩き込んだ。「そうだ(入る)と思った」という会心の一撃。打者9人で5点を奪う猛攻劇の主役となった。
プレーオフ争いで上位にいるオ軍との直接対決。「わかりやすく、大事っていう感じです」。負けられない相手との3連戦で先勝した。
この日の右翼席には、毎年オフ、神戸で行う自主トレーニングを手伝ってくれている友人たちがいた。「今日はね、神戸からたくさん来てるし、友達が。よかったよね。試合はもちろん大事だけど」。かつて「家族」と表現したこともある、強い絆で結ばれた仲間たちの声援にこたえる逆転弾。勝利の瞬間、イチローがライトスタンドを振り返り、グラブを掲げた。