レ軍6年ぶりリーグV 上原気力の投球
「ア・リーグ優勝決定シリーズ・第6戦、レッドソックス5-2タイガース」(19日、ボストン)
ア・リーグの第6戦をボストンで行い、レッドソックス(東地区)がタイガース(中地区)に勝って4勝2敗とし、6年ぶり13度目のリーグ制覇を果たした。九回を無失点で締めた上原浩治投手(38)が今シリーズ1勝3セーブで最優秀選手(MVP)に選ばれた。日本選手の同シリーズMVP選出は初めて。七回途中から登板した田沢純一投手(27)がポストシーズン初勝利を挙げた。
セレモニーで壇上に上がったレッドソックスの上原は、穏やかな笑みをたたえていた。リーグ制覇の立役者として最優秀選手に選ばれ「最高としか言いようがない」と実感を込めた。「僕でいいのかな」と照れたが、このシリーズは5試合に投げて1勝3セーブ。文句なしの活躍だった。
5‐2の九回からマウンドに上がった。最初の打者をフォークボール3球で空振り三振に仕留めると、ファンの声援は「コウジ」から「MVP」へ。2死から安打を許したが、イグレシアスからフォークボールで三振を奪うと、跳び上がって捕手と抱き合ったところに歓喜の輪ができた。
17日の第5戦は八回1死から1回2/3を投げた。27球でしのいだが、疲労は極限に達していた。ニエベス投手コーチは「試合前は『行ける』と言っていたが、つらそうだった。気力の投球だった」と精神力を絶賛した。
メジャー5年目で手にした初めての勲章に「今年は出来過ぎで正直、怖い」と、その重みをかみしめる。次はワールドシリーズ。レンジャーズ時代の2011年は不振で出場登録を外された舞台だ。相手はそのときと同じカージナルス。「アクセルを踏みっぱなしでやるしかない」と完全燃焼を誓った。