ヤンキースのハル・スタインブレイナー・オーナーが１２日（日本時間１３日）、ポスティングシステム（入札制度）を利用して大リーグ移籍を目指す可能性のある楽天・田中将大投手（２５）について初めて言及し、「もちろん、気に入っている」などとラブコールを送った。

　ハル氏の表情は自信に満ちあふれていた。

　「この状況は過去に経験しているし、もちろん、彼のことは気に入っている。すばらしい選手であることは間違いない」。「この状況」とは入札制度のこと。０７年オフの井川（現オリックス）、１１年オフの中島（現アスレチックス）と２度の交渉権落札に成功している。争奪戦を制する術はすでに心得ている。

　この日、キャッシュマンＧＭは「補強ポイントは先発ローテを守って、（年間）２００イニングを投げられる若くて、体の強い先発」と話し、田中が理想であることを示唆した。

　カブスやナショナルズなどが田中獲りの準備を進めるなか、米メディアは資金が潤沢なヤ軍とドジャースの一騎打ちを予想している。「獲得に動くチームが多いのはわかっている。どの球団にとっても大きな、大きな補強になる」。ヤ軍オーナーが浮かべた不敵な笑みは勝利への自信の表れだ。