A・ロッド出場停止でマー君はヤ軍?
大リーグ機構(MLB)は11日、薬物規定違反による211試合の出場停止処分に異議を申し立てていたヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(38)に対し、仲裁人が今季の全162試合およびポストシーズンの出場停止の裁定を下したと発表した。米各紙は、ヤ軍がロドリゲスの年俸2500万ドル(約26億円)を支払う必要がなくなったため、新ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す楽天・田中将大投手(25)の獲得への追い風になると報じた。
通算654本塁打のロドリゲスに、今季の全162試合およびポストシーズンの出場停止の裁定が下った。
MLBは、マイアミのクリニックが選手に禁止薬物を提供したと報道されたことを機に調査を開始。ロドリゲスは昨年8月に211試合の出場停止処分を科されたが、異議を申し立てて試合に出場した。薬物検査の陽性結果がなく、薬物の売買記録などの証拠による処分だったため、裁定が注目されていた。
AP通信によるとロドリゲスは「1人の仲裁人の判断にすぎず、薬物検査の結果にも基づいていない」などとする声明を出し、法廷で争う意向を示した。MLBに損害賠償を求める訴えを既に昨年10月に起こしている。
主砲抜きで戦うことになるヤンキースだが、米各紙は裁定が田中将大獲得への「追い風」となると報じた。資金に余裕ができたと見るニューズデー紙(電子版)は「ロドリゲスへの裁定がヤンキースの田中獲得のドアを開いた」と紹介した。
ヤンキースは今季、規定の年俸総額を超えた球団に対する課徴金を避けるため総額1億8900万ドル(約197億円)以下を目指している。出場停止期間中はロドリゲスに年俸2500万ドル(約26億円)を支払う義務がなく、その場合は総額も1億7200万ドル(約179億円)に収まる。課徴金を避けられるだけでなく、田中獲得の資金も確保できる。
さらに、出場停止のロドリゲスはメジャー登録が可能な40人枠から外すことができる。ヤ軍は既に40人枠を使い切っているが、田中獲得へ向けて、枠の問題もクリアできる見通しが立った形だ。