大雪影響8時間半移動で…マー君渡米
楽天からヤンキースへの移籍が決まった田中将大投手(25)が9日、成田空港発のチャーター機で渡米した。前日からの大雪の影響で、都内から空港までの移動に8時間半も要する波乱の旅立ちとなった。それでも、同様に自主トレ期間に大雪での長時間移動を経験した昨年は、日本一を達成。思わぬ“吉兆”に表情は明るかった。
前人未到の無敗男も、さすがに天気には勝てなかった。空港内で取材に応じた田中は「ちゃんと着くのかなという思いばかりだった。疲れましたよ」と、苦笑いを浮かべた。
朝6時に車で都内を出発。2時間ほどの行程を予定していたが、前日の大雪の影響は予想以上だった。高速道路に通行止め区間があったため一般道も使って移動。トイレ休憩を一度挟んだだけで先を急いだが、なかなか車は進まず。結局、成田まで8時間半もかかってしまった。
それでも、表情は明るかった。実は昨オフも自主トレ期間中に大雪に遭遇。静岡から千葉への移動に11時間半も要した。だが、シーズンは24勝0敗と日本一。「そこはつなげなくてもいいですよ」と言いつつ、新天地へ出発する日に起きた“吉兆”にまんざらでもなさそうだった。
空の移動は万全の準備が功を奏した。あらゆる可能性を想定して、チャーター機の使用を決断。大雪で通常の就航便のスケジュールが大幅に乱れる中、空港到着からは数時間で機上の人に。一足早くメジャーリーガーの風格を漂わせた。
日本を離れることには「いい環境で野球をやらせてもらった」と同僚や球団、ファンに感謝しつつ「そこに甘えるのが嫌だった。まあ、自分で選んだことなので」と、決意を示したマー君。最後に鋭い勝負師の眼光を見せて、米国へと旅立った。