ヤンキースの田中将大投手（２５）がスポーツ総合誌では全米最多発行部数の「スポーツ・イラストレイテッド（ＳＩ）」の大リーグ開幕特集号で表紙の候補に挙がっていることが２月２８日（日本時間３月１日）、分かった。３月下旬に発売される恒例企画で、その年に最も注目される選手が表紙に登場する。２４日に取材を行った同誌の看板記者も「ぜひ表紙を飾ってもらいたい」と田中を推した。

　１９５４年に創刊され、３０６万部の発行部数を誇るＳＩ。その表紙を飾ることは、メジャー各球団が、自軍の選手の表紙を額縁に入れて保存し、球場内のオフィスに飾るほど、名誉なことなのだ。

　田中が同誌の取材を受けたのは２月２４日。担当したのは記者歴３２年の看板ライター、トム・ベルデューチ記者だ。通訳を介しての約４０分のインタビュー。同記者は「過去に野茂や松坂の１年目を取材していますが、田中はだれよりもリラックスしていた」と２５歳右腕の落ち着きぶりに驚きの声を上げた。

　今回の取材は毎年３月下旬に発売される大リーグ開幕特集号のため。表紙になる選手は、注目度Ｎｏ．１選手、いわば“メジャーの顔”だ。マリナーズと１０年２億４千万ドル（約２５０億円）で契約したカノや、成長著しいエンゼルスのトラウトらと一緒に田中の名前を挙げた同記者は「未知の選手。みんなが興味を持っている。私に決定権はないが、個人的には田中を表紙で使ってほしい」とイチ押しした。

　オープン戦初登板前日となったこの日、田中はキャッチボールなど、約４０分の練習で調整した。練習の合間にはエースのサバシアからスライダーの握りを質問される場面も。周囲はみな、日本からやってきた１６０億円右腕に興味津々だ。