イチロー今季初出場で貫禄のマルチ安打
「アストロズ2‐4ヤンキース」(3日、ヒューストン)
ヤンキースのイチロー外野手(40)はアストロズ戦に「8番・右翼」で今季初出場し、三回に左前打、七回に左中間二塁打を放って4打数2安打2得点と活躍。開幕3戦目でのチーム初勝利に貢献した。
開幕2試合をベンチで過ごしたイチローが、今季初出場で魅せた。1点を追う三回1死。「(気持ちは)高まってないわけではないけど、すげぇ興奮したぜ!とは言えない」。平常心で立った今季初打席。フルカウントから相手左腕が投じた外角低めのカーブを技で左前へ運んだ。
「思いはどうだろう。想像の範ちゅうだと思うけど」。今季初安打を淡々と振り返った。そして七回2死の第3打席では中継ぎ右腕の外寄り直球を再び、技を駆使して左中間二塁打にした。
らしさを見せたのは二塁からの走塁だ。後続打者が放ったマウンド付近に上がった飛球を見て全力疾走。相手守備陣がお見合いして打球がグラウンドに落ちたときには本塁を駆け抜けていた。「ああいうケースは(全力で)行く」。1点を取りに行く姿勢をプレーで示した。
この日の先発出場は、正中堅手のエルズベリーを休ませるための措置。次の出番は確約されていない。これまでは、4月を準備期間と位置付けてきたが「レギュラーの選手でない立場にとっては、(4月を)準備期間と捉えることはなかなか難しい。本来、僕はこの時期そうなんだけど、そういう立場にはない」。メジャー14年目の挑戦。この試合のパフォーマンスに、イチローの思いが詰まっていた。