ダル、親指キレてもなんの!8回無失点
「レンジャーズ1-0アストロズ」(11日、アーリントン)
レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(27)はアストロズ戦に先発して8回を投げ、9三振を奪って1安打無失点と好投した。援護に恵まれず2勝目はならなかったが、六回の先頭打者に中前打を許すまでは完璧に抑えた。ヤンキース・イチローは「7番・左翼」で4打数2安打だった。
遊撃手の後方に上がった飛球が中前に弾む。六回、ダルビッシュが先頭のドミンゲスに初安打を許した。場内はため息の後、快投をたたえる拍手に包まれた。右腕は少しも表情を崩すことなく、視線を次打者に向けた。
「(無安打は)まったく意識してなかった。点を取られないようにと思っただけ」と振り返る。後続を3人で片付け、七、八回も緩急を使って封じた。8回を無失点。援護がなく白星は付かなかったが、今季初登板と合わせた全15イニングでゼロを並べた。
序盤からミットに吸い込まれるように外角低めへの速球が決まった。投球中にひっかいてできた右手親指の切り傷は影響なかった。「球もけっこう走っていたし、こういう投球が毎試合できればいいと思う」と手応えを語る。ワシントン監督は「去年よりも切れがある。速球の制球が向上している」と評価した。
開幕投手回避の原因となった首の張りは、いまは何も不安を感じさせていない。「まだ2試合なので(去年までと)比較するのは早い」と涼しい顔の本人とは裏腹に、ファンは安打、得点を許さない快記録達成への期待を膨らませていることだろう。