マー君が両リーグ最多11勝目
「ヤンキース3-1ブルージェイズ」(17日、ニューヨーク)
ヤンキースの田中将大投手が、6回5安打1失点で両リーグ最多の11勝目(1敗)を挙げた。防御率もリーグ1位の1・99と2点を切った。
動揺しても崩れなかった。初回。先頭レイエスに生涯初の“プレーボール弾”を浴びた。「いつものリズムで投げるのは難しかった。切り替えて行こう、と自分に言い聞かせた」。2死一、二塁のピンチは空振り三振。メンタルの修正の早さも田中将の武器だ。
二回以降の5イニングは2安打無失点。相手が直球狙いと見るや、変化球主体の配球に切り替え、3者連続三振の五回15球はすべて変化球。地区首位を走るブ軍の原動力となっているリーグ最多本塁打&最高長打率の強力打線を手玉に取った。
「特になにもよくなかった。我慢して低め、低めに投げた」。自身の投球を語る口調は淡々としていたが、守備に関してはスイッチが入った。先制弾の直後に受けた、痛烈なライナー性の打球。グラブを吹き飛ばされながらも素早い動きで一塁送球。「はじいた方向をしっかり見ていたのですぐ反応して捕りにいけた」。好守で自身を救った。
ブ軍は4月4日のデビュー戦で初勝利を飾った相手だ。当時との大きな違いは「スムーズに試合に入っていける、準備の仕方に自信を持てるようになった。正直最初は難しい部分があった」
デビュー戦では開始40分前にフィールドに出ていたが、今では30分前が基本。“10分の進化”。投球スタイルだけじゃない。すべてにおいて田中将が『自分の形』を確立している。