「ヤンキース６-４ブルージェイズ」（１９日、ニューヨーク）

　ヤンキースのイチロー外野手（４０）が１９日（日本時間２０日）、ブルージェイズ戦で二回に右前打を放ち、メジャー通算２７８２安打を記録。日本時代から憧れの存在だった元マリナーズのケン・グリフィーＪｒ．を抜いて歴代単独４９位となった。

　鋭い打球が一塁手の左を抜けた。１点をリードした二回１死一塁。イチローはフルカウントから１５０キロの直球をライト前へ運び、チャンス拡大し、追加点につなげた。グリフィーを越える２７８２本目のヒットはチームにとっても大きな１本となった。

　「タイプが違いすぎて。べつにジュニア（グリフィーの愛称）のヒットの数に憧れてたわけではないし、そこを目指してもいなかった」。イチローがそう言ったのは安打数で並んだ１５日の試合後だ。憧れたのはグリフィーだけがもつ「美しさ」。感慨を問われても「全然ない」と言い切っていた。

　歴代４９位の２７８２安打。その上には２８１２安打のジョージ・シスラーがいる。イチローが０４年にシーズン２６２安打のメジャー記録を樹立したときに越えた相手でもある。あと３０本。グリフィーの記録に並んだ日に「あと何本ですか？」と気に掛けていた存在を射程圏内にとらえた。