マー君4失点も12勝目!単独トップだ
「ツインズ4‐7ヤンキース」(3日、ミネアポリス)
ヤンキースの田中将大投手(25)は、ツインズ戦に先発し、7回9安打4失点(自責点4)で12勝目を挙げた。球宴前の勝利数では球団の新人記録を57年ぶりに更新。ただ、デビューからの連続クオリティースタート(QS、6回以上3自責点以下)は大リーグタイの16試合で途切れ、記録更新はできなかった。
マウンドを降りる足取りは、重かった。ベンチ前でジーターに労をねぎらわれても、仲間たちとグータッチを交わす表情は硬いまま。「投げるボールも全然キレがなかったですし、中途半端なボールが多かった」。発する言葉は勝者のそれではなかった。
立ち上がりから苦しんだ。初回に先制点を許し、三、六回にも失点。5月31日の初対戦では8回4安打1失点で圧倒した相手打線が積極的に振ってきた。4失点目は2ストライクから捕手のサインに首を振って投げた150キロ直球を左前適時打。メジャー自己最少の85球を「前回と比べても数段落ちるぐらいのボールだった」と振り返った。
キレがない。いつもより5分遅い、プレーボール25分前にフィールドに出た。キャッチボールの後はブルペンで約25球。「マウンドに上がる前からそういうときは気付きますよね」。不安は的中した。
メジャー6度目となった中4日での登板。6月28日の試合は9回を投げ抜いたとあってか、3日前のブルペンは過去最少の19球。2日前のキャッチボールでは通訳に自身の左側に立ってもらいバランスを確認。万全を期したはずだった。
納得のいかない投球ながらも試合は壊さなかった。「チームが勝ったのが一番。そこに尽きますね」。QSの記録は途切れたが、「別にそこは大きな問題じゃない。(QSを)ずっと守っててもずっと負けてたら意味はない。なんとも思ってない」と言い放った。
ハーラー単独トップの12勝。球宴前の勝ち星では球団新人記録を57年ぶりに塗り替えた。前半戦残り2試合はいずれも中4日。「またしっかり準備していきますよ」。一つの記録こそ止まったが、田中将がまた違う、別の大きなヤマを乗り越えようとしている。