マー君復活13勝 快投にファン総立ち
「ヤンキース5‐2ブルージェイズ」(21日、ニューヨーク)
右肘靱帯(じんたい)の部分断裂で故障者リスト入りしていたヤンキースの田中将大投手(25)が75日ぶりに戦列復帰し、5回1/3を投げて5安打1失点で13勝目(4敗)を挙げた。最速は150キロをマーク。70球の球数制限の中、すべての球種を駆使した本人納得の投球内容で、80日ぶりの白星を手にした。
歓迎ムードに包まれた。試合前、ウオームアップのために背番号「19」がベンチから飛び出すと、客席から拍手と歓声が起こった。「おかえり、マサヒロ!」。田中将は控えめに帽子を取って感謝の意を表した。
7月8日のインディアンス戦以来、75日ぶりのメジャーのマウンド。先頭のレイエスには6月17日の対戦で生涯初の初球弾を浴びている。「それだけはないようにと思って投げました」。初球は外角高めへ148キロの直球。ボールにはなったが、落ち着いていた。
一回に連打で一、三塁のピンチを背負い、併殺の間に1点を失った。しかし二回2死三塁では、144キロの高速スプリットで空振り三振を奪った。三回以降は3イニング連続で無安打に抑えた。
三者凡退の五回は、全て初球にカーブを投げた。「カーブがすごくよかったから増えたんだと思います」。故障前よりスプリットが少なかったことには「(肘への)負担を考えたわけではない。今まで多すぎたんじゃないですか」と笑った。
7月8日の登板後、右肘の内側側副靱帯部分断裂が判明。慎重に調整し、復帰にこぎ着けた。この日の最速は150キロ。すべての球種を投げ、予定通り70球で降板したが、13勝目を手にした。スタンドには声援を送るファンに交じって、まい夫人の姿もあった。
「久しぶりでしたけど全体的になかなかよかったんじゃないかと思います。まずはホッとしている部分はあります」と安どの表情。ジラルディ監督も「非常に満足。すべて以前と同じだった」と合格点を与えた。
故障前の成績は12勝4敗、防御率2・51。「よりよくなるようにと思っていつもやってるんで、別に『あの時に戻りたい』というのはない」。次回登板は27日(日本時間28日)のレッドソックス戦だ。田中将が会心のパフォーマンスでメジャー1年目を締めくくる。