ジーターNYファンにサヨナラ有終V打
「ヤンキース6‐5オリオールズ」(25日、ニューヨーク)
今季限りで引退するヤンキースのキャプテン、デレク・ジーター内野手(40)が25日、本拠地最終戦となったオリオールズ戦に「2番・遊撃」で出場し、九回にサヨナラ打を放って有終の美を飾った。イチロー外野手(40)も驚嘆の声を上げた劇的エンディングで地元ファンに別れを告げた。またナ・リーグではジャイアンツの2年ぶりのプレーオフ進出が決まり、全5チームが出そろった。
一塁を回ったところで両こぶしを天に突き上げ、力の限り叫んだ。その最後の勇姿を見届けるために押し寄せた4万8613人の興奮がフィールドに渦巻いた。あまりにもドラマチックなエンディング。決めたのは“キャプテン・クラッチ(勝負強い)”ジーターだった。
3点リードの九回表に、抑え投手がまさかの2被弾。同点で迎えた九回裏1死二塁。ジーターコールがこの日最大の音量となる。その初球を捉えた。全員の思いを乗せた打球が一、二塁間を破った。
チームを勝利に導いた通算3463本目の安打。「これが僕がこれまでずっと望んできた全てだ。この機会はだれもが得られるものではない」と言った。
その瞬間、仲間たちとベンチから飛び出したイチローは「もう何も言わなくていいでしょう」と第一声。「まずこの展開になることがありえない。漫画でもやり過ぎですから」と興奮気味に話した。
ジーターはベンチ前でヒーローインタビューを受けた後、95年のメジャー・デビューから守り続けてきた遊撃の守備位置に向かった。両親、トーリ前監督や元同僚のリベラやポサダらも見守る中、その場にしゃがみ込み、胸の前で十字を切って感謝の意を表し、別れを告げた。