青木が泣いた「ほんとにすごく悔しい」
「ワールドシリーズ第7戦、ロイヤルズ2-3ジャイアンツ」(29日、カンザスシティー)
ワールドシリーズ(WS)第7戦が行われ、ジャイアンツが青木宣親外野手(32)が所属するロイヤルズを下して4勝3敗とし、2年ぶり8度目の頂点に立った。10、12年に続き5年間で3度目のWS制覇。最優秀選手(MVP)にはシリーズ2勝1セーブのエース左腕バムガーナーが選ばれた。青木は「2番・右翼」で出場し、3打数無安打1四球だった。
泣いた。涙を見せまいとタオルで顔を覆って青木が泣いた。「きょうだけはね、勝ちたかった。負けたことがほんとにすごく悔しい」。目を真っ赤にして言葉を絞り出した。
29年ぶりの頂点をかけた戦い。二回に2点を先制されながら、その裏の攻撃で追いつく粘りを見せた。しかし、四回に1点を勝ち越されて劣勢に。五回からは中2日登板の相手エース左腕、バムガーナーに抑えられた。
チャンスはあった。五回1死二塁。青木は外角球を流し打った。しかし左翼線寄りに守備位置を変えていた左翼手に好捕された。「イメージ通りだったけど仕方ない」。思わず天を仰いだ。
1点を追う九回、2死三塁打の好機をつかんだ。しかし最後はペレスが三邪飛。ペレスは二回に足に死球を受け、鎮痛剤を打っていた。その姿を目の当たりにしていた青木は「やれるなら自分の力をやりたかった」と言った。
メジャー3年目で初のワールドシリーズは14打数1安打、1打点。結果を残すことはできなかったが「本当にいい経験をさせてもらって幸せでした。最高でした。さらに自分が飛躍すると確信しています」と前を向いた。
昨年12月にブルワーズからトレードで移籍した。試合後は、今年苦楽をともにした仲間に青い扇子を配って感謝の意を伝えた。