「オープン戦、カージナルス５-２マーリンズ」（８日、ジュピター）

　マーリンズ・イチロー外野手（４１）が８日、カージナルスとのオープン戦に７番・右翼で出場し、打撃は２打数無安打だったが、守備ではレーザービームで初補殺を記録。

　イチローが常夏フロリダの気温を一気に上昇させた。四回無死一塁。自慢の肩にスタンドが沸く。右前に抜けたゴロにチャージをかけ、素早い動きから三塁へ“強肩発動”。レーザービームが塁上で待ち構えた三塁手・プラドのグラブに吸い込まれ、敵の進塁を阻止した。

　刺した相手はヤンキース時代の同僚のアナ。「行け、行けと思った」。敵の能力を把握しながらのプレーに「あざぁーす！という感じですね」と笑ったイチロー。捕球したプラドは「正確すぎる送球にびっくりした」と振り返った。

　前夜には待望の“援軍”がキャンプ地に届いた。日々の体の鍛錬に不可欠な初動負荷理論に基づく愛用のトレーニング器具一式だ。

　建物内に空き場所がないため、縦１０メートル×横２・５メートル×高さ３メートルのコンテナをレンタル。「収納できるようにアレンジしました」と球団関係者。クラブハウス脇に専用練習場“イチの穴”を完成させた。

　朝の練習前と午後１時開始の試合前に筋トレを行った。その効果を証明するかのように“今季初”の補殺を記録した。

　五回の守備で交代した後もトレーニング室へ直行。「気持ちいいですね」。メジャー１５年目の開幕に向けてイチローが順調に準備を進めている。