イチ 王さん日本記録にあと「1得点」
「フィリーズ1-6マーリンズ」(22日、フィラデルフィア)
なりふり構ってなんかいられない。スコアだけを見ればマーリンズの快勝だが、そのうち5点は敵軍の3失策とボークによるもの。チームの連敗を「5」で止めたイチローは安どの表情を浮かべながら「勝てばなんでもいい。取りあえず、今は」と言った。
前日の試合開始直前に腰の張りを訴えて欠場した正左翼手のイエリチがこの日も治療に専念。2戦連続スタメン出場のイチローが見せ場をつくったのは1点リードの八回だ。
2死無走者の打席で中継ぎ右腕ジャイルズの156キロ速球を叩きつけて二塁内野安打。後続の安打と二失で三進し、さらに中堅手の落球で3点目のホームを踏んだ。今季5得点目で日米通算1966得点。尊敬する王貞治氏の持つ日本記録にあと「1」に迫った。
試合前にはうれしい“来客”があった。00年オフにオリックスからマリナーズに移籍した時のGMで、現フィリーズ球団社長のギリック氏と4年ぶりに再会を果たした。クラブハウスで旧交を温めたイチローは満面の笑みで「雰囲気いいし、大好き。優秀だし、(言動に)気持ちがある」と言った。
プロ24年目。日米通算では、すでに安打、二塁打、出場試合などで日本プロ野球記録を上回っている。イチローが新たな勲章を手にしようとしている。