「マーリンズ３-２ナショナルズ」（２４日、マイアミ）

　「世界の王」に並んだ！マーリンズのイチロー外野手（４１）は２４日、本拠地でのナショナルズ戦に７番・左翼で先発。０－１の五回、第２打席に遊撃内野安打で出塁すると、後続の適時打で同点の生還を果たし、王貞治（巨人）が樹立した日本プロ野球記録の１９６７得点に日米通算（日６５８、米１３０９）で並んだ。チームも逆転勝ちし、今季初の３連勝を飾った。

　節目の得点もイチローらしく決めた。五回２死走者なしで迎えた第２打席。相手先発ジマーマンの直球を中堅方向にはじき返すと、打球が遊撃手の右へ転がる間に快足を飛ばし、内野安打とした。ここから連打が飛び出し、９番・投手レートスの中前打で二塁から悠々とホームを駆け抜け、日米通算１９６７度目の生還を果たした。

　イチローの節目の得点をたたき出した先発右腕レートスは「記録は知らなかったけど、本当にすごいことだね。でも、俺のあんなヒットが日本で何回もテレビに流されるなんてひどいな」と苦笑いで偉業を祝福。レドモンド監督も「彼はチームにとって大きな存在。楽しんでプレーしているよ」と頼もしそうだった。

　ただ、節目の記録に到達した試合後のロッカーに、いつもはあるはずのイチローの姿はなかった。日米通算記録に無頓着なイチローらしいといえばらしい行動。王貞治氏が自らの本塁打で８６８度の生還を果たしている一方で、安打での出塁を重ねて打ち立てたイチローの記録とは比較しづらいことも確かだ。

　果たして王氏の日本記録を超えた際は、イチローがどういった言葉を口にするのか。無事是名馬を地で行く４１歳のベテランが、今後も全力プレーで数々の記録を打ち破っていくことは間違いない。