球児9球発進!新天地で今季初登板
「レンジャーズ3-6ロイヤルズ」(14日、アーリントン)
右脚付け根付近の張りで故障者リスト入りしていたレンジャーズの藤川球児投手(34)がアーリントンでのロイヤルズ戦の八回に今季初登板し、1回を三者凡退と好投した。
試合後、レンジャーズの藤川を地元メディアがぐるりと囲んだ。敗戦の中で明るい材料になったのは、9球で三者凡退に片付けた今季初登板だった。マイナーでの1カ月のリハビリ期間を終え、新天地での第一歩を軽快に踏み出した。
出番は八回だ。1人目は直球で後方へのファウルを誘い、落ちる球で一飛。2、3人目も直球で押し込み、簡単にフライアウトに仕留めた。9球中、8球がストライク。球速は140キロ半ばでも切れのある球で相手を圧倒した。
「打者の反応を見る限りは良かった。フォームを変えたことが成果に出ている」と納得顔で振り返る。リハビリ中は「一日も無駄にしたくない」と話し、納得の投げ方を追求した。目に留まった外国人投手の投げ方を参考に試したこともある。体のバランスを調整しながら、球速よりも切れを追求した。
「結果が出なければいなくなることは分かっている。毎日が勝負」と気持ちを引き締める。ほっとした顔を見せない理由がある。「自分の持ち場というか、したいところは違うところにあるので」。言うまでもなく、それは抑えの座。そんな意気込みを表すかのように、本拠地には抑えとして活躍したプロ野球阪神時代の登場曲が静かに流れていた。