イチロー ヤンキースタジアム凱旋打
「ヤンキース2-1マーリンズ」(17日、ニューヨーク)
敵地ファンに温かく迎えられた。昨季まで約2年半プレーしたヤンキースの本拠地、ヤンキースタジアム。移籍後初めて訪れたマーリンズ・イチローへの声援はマイアミでのそれと何ら変わりはなかった。
試合前から注目度は群を抜いていた。打撃練習の打球を追う守備練習。縦横無尽に動き回り、15分で11個ものボールを客席に投げ入れ沸かせた。「そんな大した反応違うでしょ」。照れ隠しにしか聞こえなかった。
2戦ぶりのスタメン。初回、右翼の守備に就いた時には熱狂的ファンが陣取る右中間席から名前を連呼する「ロール・コール」を受けた。「“気持ちでしてあげた”ぐらいの感じ。優しい人がやってくれた」。三回の第1打席はヤ軍選手と同じ大きさの拍手と歓声だった。
試合開始直前にはコーヒーの“差し入れ”があった。ヤ軍時代のルーティンを球団関係者が覚えてくれていた。「ああいうのはうれしい。人の気持ちが見えた時、感じる時っていいなあって思う」。八回の右前打で歴代単独38位となるメジャー通算2885安打。感謝の1本になった。