マー君、圧巻5勝目 19打者連続凡退も
「ヤンキース6-2アスレチックス」(9日、ニューヨーク)
ヤンキースの田中将大投手(26)はアスレチックス戦に先発して今季最長の7回2/3を投げ、2安打2失点(自責点1)の好投で1カ月ぶりの白星となる5勝目(3敗)を挙げた。マーリンズのイチロー外野手(41)はレッズ戦に途中出場して1打数無安打。チームは2-0で勝ち、連敗を4で止めた。
今季最長となった八回のマウンド。下位打線から連続三振を奪い、投球数が114球に達するとマウンドの田中のもとにジラルディ監督が歩み寄った。
4万を超える地元ファンのスタンディングオベーション。照れくさそうに帽子のつばを触りながらマウンドを降りると、田中は「ああいう歓声をもらえるのはうれしい。いい形で前半戦を終われた」と、安堵(あんど)の表情で仲間とハイタッチを交わした。
5戦ぶりの勝利は、ほぼ完璧な投球内容。二回こそ捕手の打撃妨害から2本の二塁打を許して2点を失ったが、その後はスライダー、スプリットなど変化球主体の投球でア軍打線を翻弄(ほんろう)した。三回以降は1安打も許さず、19打者連続凡退(振り逃げ1つ)も記録した。
昨年7月に右肘靱帯(じんたい)の部分断裂が発覚して以降、100球以上を投げたのは初めて。今季最多を大きく上回る114球について、田中自身も「プラスに捉えている。自分の中では一つステップを踏めたかな」と完全復活への収穫も口にした。
前半戦の5勝3敗、防御率3・63という成績に対する自己評価は厳しい。それでも「きょうみたいな投球をコンスタントに投げていくことが一番」と、明るい表情で後半戦への巻き返しを誓った。