岩隈が身体検査アウト マリナーズと契約
マリナーズは17日、同球団からFAとなっていた岩隈久志投手(34)と1年で再契約したと発表した。2017、18年は成績などの一定の条件をクリアすれば契約が自動延長されるオプション付き。岩隈は今月上旬にドジャースと3年契約で合意し、米メディアが総額4500万ドル(約55億4000万円)と報じたが、身体検査を受けた結果、交渉が最終段階でまとまらず、正式契約には至らなかった。
マリナーズのファンにとっては、思いがけないクリスマスプレゼントといったところか。岩隈は移籍先に選んだドジャースとの交渉が最終段階で頓挫。着慣れたユニホームに袖を通すことが電撃的に発表された。
ディポト・ゼネラルマネジャー(GM)は「ここ数日でチャンスが巡ってきた。チームにとって大きな加入だ」と喜びを隠せない。積極的な補強を進めている今オフ、4年間で47勝を挙げた岩隈との再契約こそ「われわれの最優先事項」と同GMは言い続けていた。
先月13日にマリナーズが残留を求めて1年1580万ドル(約19億400万円)のクオリファイング・オファー(QO)を提示し、岩隈がこれを拒否したことが米メディアで報じられた。その後、FAとなった岩隈にマ軍は2年2400万ドル(約29億5000万円)のオファーを出したが、12月6日にドジャースと3年総額4500万ドル(約55億4000万円)で合意したと報じられた。
来年4月で35歳になる岩隈は1年でも長い契約を求めていたとみられ、ドジャースが示した3年契約は魅力的といえた。ただドジャースとは身体検査を受けた結果、交渉が最終段階でまとまらなかった。17日の午前中に交渉破談が報道されてから、その日の午後にマリナーズが再契約。岩隈にとってはまさに激動の1日だった。
◆過去には岡島も… 大リーグでは通常、契約合意した後に身体検査を行い、問題がなければ正式に契約を結ぶ。過去には2012年オフにレッドソックスがFAのナポリと3年3900万ドルの契約で合意となったが、その後の検査で股関節の不安が発覚。出来高払いが付いた年俸500万ドルの1年契約に条件が大きく下げられた。
一方で、12年にはヤンキースとマイナー契約の岡島が検査で左肩の異常が見つかり、キャンプ直前に契約を解除されたものの、その後にソフトバンク入りして活躍した例もある。