ダルビッシュ670日ぶり復活星
「レンジャーズ5-2パイレーツ」(28日、アーリントン)
昨年3月に右肘手術を受けたレンジャーズのダルビッシュ有投手(29)が、約1年9カ月ぶりにメジャー復帰。パイレーツ戦に先発し、5回を3安打1失点、7三振1四球と好投し、2014年7月28日以来670日ぶりの勝利を挙げた。
2014年8月9日以来、658日ぶりに上がったメジャーのマウンド。実戦復帰を果たした今月1日のリハビリ登板では「肘がぶっ飛ばないかなと思いながら投げた」と冗談交じりに話したダルビッシュだったが、この日は“戦闘モード”に入ったメジャーリーガーの顔になっていた。
今季3番目に多い4万6950人の観客が詰め掛けた本拠地。球場にダルビッシュの名前がコールされると、大歓声が起こったが、「ちょっと力は入りましたけど、緊張はなかった」。先頭打者を迎えても「感慨にふけってる余裕はなかった。1番のジェイソをどうやって打ち取ればいいかって、数日考えたくらいだから」と、一切の高揚を感じず94マイル(約151キロ)の直球を投げ込んだ。
初回にはジェイソに中前打を打たれ、野手の失策が絡んで2死三塁のピンチ。しかし、4番フリースにはこの日最速の98マイル(約158キロ)の直球を投じるなど、三ゴロに打ち取って無失点に抑えた。
全米中継が入るなど多くの注目を集めたマウンドにも、剛速球と切れ味鋭い変化球で打者を圧倒する姿は手術前のまま。5回で81球を投げ、7つの三振を奪った。「球速も出てて、いい球が投げられてた。(パ軍打線の)タイミングが合ってなかったんで、通用するなと思った」と確かな手応えを口にした。
昨年3月の手術からリハビリに要した期間は約14カ月。フィジカルトレーニングに明け暮れ、昨季よりも体重を6キロ増やした。
エース復活を印象づけるような内容でつかんだ1年10カ月ぶりの勝利。「まだ1試合。シーズンを通してどのくらい投げれるかっていうのが重要。今日だけで自分のことを評価することはない」。最後まで冷静な表情を崩すことはなかった。