イチロー語録で振り返る軌跡(下)
「パドレス6-3マーリンズ」(15日、サンディエゴ)
マーリンズのイチロー外野手が2安打を放ち、日米通算4257安打として、ピート・ローズのメジャー最多記録4256安打を上回った。日本のオリックスで1992年に1軍デビューしてから25シーズン目に打ち立てた金字塔。史上最高の安打製造機の足跡を、その言葉とともに振り返った。
◇2009年4月 日米通算3086安打。東映などで活躍した張本勲の3085安打を上回る。「頂に登った景色とはどんなものなのかを感じてみたかった。すごく晴れやかな感じで、いい景色でした」
◇同9月 メジャー通算2000安打達成。「節目であることは間違いないんですけど、たどり着いたって感じもあまりないかな。日本で打つよりずっと楽だと思います。物理的に量(試合数)が多いわけですからね」
◇同 メジャー史上初の9年連続200安打達成。ウイリー・キーラーが1894年から1901年にかけて達成した記録を108年ぶりに更新。「ただ解放された。人と争うことっておもしろくないからね。それを意識しながらやることは気持ちのいいことではない。達成することで解放できたことは僕にとってはよかった」
◇2010年 シーズン214安打で、10年連続200安打達成。また200安打達成回数でも、ピート・ローズの最多記録10回に並んだ。「簡単なことじゃないことは僕が一番知ってますからね。(ローズの記録を)ぜひ超えてあげたいですね」
◇2011年 シーズン184安打で、連続200安打は10年で途切れる。「なぜか晴れやかですね。続けるということに追われることがなくなったのでホッとしています。こうやってできないと、やっぱり200ってすげえなあって思う」
◇2012年7月 ヤンキースへトレード移籍。発表当日、古巣となったマリナーズ戦に出場し、ファンから歓声、拍手を浴びる。「ああいう反応を目の当たりにすると、真っ白になりますね。なんにも思い浮かばなかったです。ただただ、その瞬間に感激した。きょうの一日を特別なものにしてくれた」
◇2013年8月 日米通算4000安打達成。「チームメートやファンが祝福してくれるとは全く想像していなかった。記録が特別な瞬間をつくるのではなくて、自分以外の人たちが特別な瞬間をつくってくれるものだと強く思った」
◇2015年1月 マーリンズに移籍。「球団のやたらに熱い思いが伝わってきた。必要としてもらえることが僕にとって何よりも大切。大きな原動力になる」
◇同8月 日米通算4192安打。メジャー歴代2位、通算4191安打のタイ・カッブを上回る。球場の観衆はスタンディング・オベーションでたたえ、球場のビジョンでは偉業を伝えた。「日米通算の記録なので、アメリカ人としては気にくわないこともあるだろうし、いろんな声があるのは想像できるけど、こんなふうにしてくれるのはジーンとくる」